第26章 息抜きハイキング ~または高級プリン1個の重さ~

第365話 テスト勉強の合間に

 土曜日、天気は雨。

 図書館で皆で試験対策勉強。

 日曜日は晴れたけれど昨日に引き続き試験勉強。


 そして祝日の月曜日。

 朝7時に寮の前に全員が集合した。

 天気は抜けるほどの青空だ。


「さて、適当に荷物を詰め直すか」

 今回は川俣先輩と亜里砂さん、そして僕が大きいザック装備。

 他3人はディパックだ。


「基本、大きいザックはパーティでテント泊する時の登山装備の重さ想定だな」


 そんな訳で僕さんのザックには、

   ○ 僕が先生から借りたままの食器

   ○ 同じく借りたままの雨具

   ○ 同じく水のポリタンク2リットル用

   ○ 防寒服

   ○ タオル、ティッシュペーパー等小物類

の他に、

   ○ 美洋さんから借りた寝袋と寝袋カバーとマット

   ○ 亜里砂さんのテントの本体

が入っている。

 ほぼ目一杯という感じだ。


 今回は他浦にある青少年自然の家でディキャンプ。

 荷物を背負って山に行く時のシミュレーションをしてみようという計画だ。

 一度雪山で実際にテント泊したけれど、今度は先生無しという条件にして実施。


 本当は実際にテント泊もしたかった。

 でもうちの学校は先生が一緒で無いと課外活動での外泊は許可が下りない。

 だからディキャンプという訳だ。

 テントの容量にあわせて僕を含む3人のザックは登山想定。

 無雪期のテント泊に必要な登山装備を詰め込んでいる。


 亜里砂さんのザックも個人装備の他、テントのフライとポールを入れている。

 先輩も料理用の鍋と食糧一式を共同装備として入れた。

 なお登山想定は3人なので、残りはディパックだ。

 重い方のザックをかわるがわる背負ってみて、どんな感じか確認する予定。

 背負ってみると僕のザックの重さは雪山の時より若干軽い程度。


「さて、それじゃ出発するか」

 本日の予定は学校の前の林道を上り詰めて乳頭山へ登る。

 更にその先田浦方向に歩いて他浦青少年自然の家へ。

 そこでテントを立て、昼食を作って食べて帰ってこようというものだ。

 歩く時間は大目に見て3時間半程度。

 なお疲れた場合は帰りに電車やバスで帰ってくる事も出来る。


「さて、それじゃ行くとするか」

 毎度お馴染みの林道を上り方向へ。


「もう何回歩いたかな、この道」

「最初のお試しキャンプからだから、もうわからないな」

 そんな事を話しながら林道終点を越え、急登を登って乳頭山へ。

 ここはこの辺では一番見晴らしがいい場所だ。


「最初の時は私、ここの時点でもうバテバテだったよね」

「僕も言い出さなかってけれど結構疲れていた。美洋さんは平気そうだったけれど」

「昔から割と体力には自信があるんです」


 そんな事を言いながらちょっと休憩。

 気温は寒いけれど日差しのおかげでそこそこ温かい。

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