第3話 放課後はご挨拶

 午前中は入学式。

 そして午後はオリエンテーション。


 主に授業以外の生活面での話だった。

 そのうち一番量的に多かったのが課外活動の話。

 全寮制で暇なので課外活動が盛んらしい。

 そこそこ厚いパンフまで配って色々紹介された。


 ただ僕が感じる限り。

 何故か妙な活動が多かったような気がする。


 野球部等が無いのは男子が少ないせいだろう。

 でも近接格闘技研究会はあったりする。

 民俗学研究部なんて渋いのとか。

 神道研究会なんて学校でやるのはありなのかとか。

 欺瞞術式研究会に至っては何をするのか良くわからない。

 説明を聞いたらよけいわからなくなった位だ。


 まあそんな行事だらけの学科時限も15時で終わり。

 本日は取り敢えず解散となる。

 結局クラスメイトは栗原さんとしかまともに話していない。

 栗原さんも同様なのだが。

 明日はもう少し交友を深めるべきかな。

 そんな事を思いながらカバンを片付ける。


「仲代君はこの後どうするんですか」

 栗原さんに聞かれた。

「挨拶したい先生がいてさ。前の小学校で世話になった先生の知り合いで、ここを受ける時に資料や書類送付で世話になったから」


 これは本当だ。

 加茂先生の知り合いでこの学校の資料や申請書類を送って貰った相手。

 草津と言う名前の理科の先生だ。

 専攻は物理で、通常は職員室より理化学実験準備室にいるらしい。

 そう加茂先生に聞いている。


「何ならついて行っていいですか。実は暇で」

「別にいいよ。挨拶するだけだし」


 そんな訳で僕と栗原さんと2人。

 理化学実験準備室へと向かうことにする。


 栗原さんはまるで場所を知っているかのように歩いて行く。

 僕も一応学校案内で場所は確認している。

 でも実際そんなにすいすいとは行けない。

 なので自然栗原さんについて行く形になってしまう。


「良く場所がわかるなあ」

「覚えるのだけは得意なんです」

 栗原さんはそう言って小さく笑った。

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