第265話 労働のあとは食事です
「これでも実は簡単になったんだぞ。どこぞの理科の先生が、Webページでこのジュズダマの剥き方を公開してくれらからさ。それまでキッチン鋏でやったり色々やったけれどなかなか上手く行かなかったんだ」
そう言いながら先輩も一緒にジュズダマ作業。
段階毎にまとめてやったり、色々試行錯誤しながら。
ちょっとペースが遅めの亜里砂さんのを手伝ったりもして
何とか全員、無事に終わった。
「手がちょっと痛いのだ」
亜里砂さんだけでは無い。
彩香さんも手をぶらぶらさせている。
「それでは女工哀史セットを回収」
先輩が道具と完成したジュズダマを回収してキッチンに消える。
そして今度は持ってきたのは。
夏の合宿の時に使ったオイスターナイフと、五寸釘と、タオル。
それと何かの入ったカゴを持ってきた。
カゴの中はくるみだ。
今外で干しているものと同じだが、よく見ると殻に割れ目が入っている。
「外にあるクルミをフライパンで煎ったものだ。そうすると割れ目ができるので、そこからこじ開ける。そんな訳で各自挑戦!」
今度は皆で1つの新聞紙の周りに集まって作業だ。
「まずオイスターナイフなりドライバーなりで、こうやってクルミを割る。タオルの上に載せてやるとやりやすいかな。
割ったらこの五寸釘で、この白い部分の足みたいな部分がらはがしてやる。この白い部分が生のクルミだ。
そんな訳で、これはさっきよりは楽。さあ開始!」
僕もマイナスドライバーで参戦だ。
僕と川俣先輩がマイナスドライバーなのは、きっとオイスターナイフが足りなかったのだろう。
それでも言われた通りやれば簡単に割れるし、中の部分も取れる。
ジュズダマと比べると実も大きいし、やりやすい。
そんな訳で持ってきたクルミは割と簡単に処理完了。
「やっぱり人海戦術を使うと早くていいな。それではあと30分でお昼の時間、採取材料も使って先生が調理中だからちょっと待っていてくれ」
先輩は剥いたくるみを持って消えていった。
ちなみに時計は11時半だ。
「何が出来るのかな」
「とりあえず来年は、ジュズダマは程々程度にしておくのです」
片付けながら昼食を待つ。
◇◇◇
「出来たぞ」
川俣先輩が呼びに来たので、キッチン兼食堂へ。
なにやら色々と並んでいる。
メインは茶色いパスタのようだ。
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