第230話 最後の審判?

 そんな感じで。

 昼間は店の中を歩いたり、部屋でうだうだしたり。

 夜は亜里砂さんの宿題を見ながら自分のプリントもやるという感じで。


 亜里砂さんの宿題がようやく終わった頃には。

 何と2週間を過ぎて8月も23日になっていた。

 僕の外泊許可が24日までだから、今日がもう最後の日だ。


「でも宿題も無事終わって助かったのだ。ベジョータ感謝感激なのだ」

「だからそのネタは使わないって」

 なんてやりとりも今日で終わりか。

 そう思うと寂しくなる。


「大丈夫、学校が始まったらまた嫌でも会うのだ」

 まあそうなんだけれど。


 ちなみに今日は安売りのケーキスポンジを使ってケーキを作り、お別れ会なんてのまでやった。

 クリームとイチゴを使って総額800円。

 その割に結構食べ応えがあったけれど。


「それで最後、お願いだけれどちょっと、いいですか」

「了解、許可なのだ」

 亜里砂さんは表層思考を聞いてそう言う。

 でも当然何のことだか僕にはわからない。


「ならお風呂入って、寝る準備なのだ」

 何がどうなっているのかわからないけれど、そういう事らしい。

 なので取り敢えず順番にお風呂入って着替えて、そして。

 カードゲームでもやるのかな、と思ったら。


「今日は皆で一緒に寝るのだ」

 亜里砂さんはそう宣言する。


 皆で寝るって?

 えっ!

 不穏な単語が一瞬頭をかすめたのは勘弁してくれ。

 僕だって健全な中学生男子なのだ。

 しかも寝る前の服は2人ともノーブラだし。

 意識しないようにはしているけれどさ。


「これは彩香の提案なのだ。

 それにベッドはクイーンサイズだから充分3人で寝れるのだ。

 最後の夜だから一晩中話をしたりするのだ」


「折角の楽しいお泊まり会も今日で終わり。だから最後の夜は一緒にいたいなと思ったんだけど、駄目ですか」


 彩香さんにそう言われると、僕は断れない。

 そんな訳で。

 3人で本来は夫婦の方の寝室へ。


「確かにこのベッド、大きいな」

 縦か横か良くわからないサイズだ。


「1枚マットとしては最大のサイズなのだ。おかげで部屋に入れる時はとんでもなく苦労をしたのだ。エレベーターにも入らなかったので非常階段の外からつるして持ち上げたのだ」

 確かに普通のエレベーターでは斜めにしても入らなそうなサイズだ。

 そして。

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