第385話 他のお店も見てみるけれど
「やっぱり、いいなと思う物はいい値段がするのですよ」
「どれどれ?」
彩香さんが見てみる。
「例えばこれ、ポケット等もついて容量も55から65リットル、背中もいい感じで女性用サイズなのですが、4万円ちょいなのです」
「あ、駄目だ」
彩香さんあっさりダウン。
「ちなみに悠君のはいくらだった?」
確かあれは……
「安売りで7千円ちょい」
「ああああ……随分違う。これは辛いなあ」
「ここだとそんなに安くて大きいのは無いですね」
美洋さんもそう言う。
「なら、ちょっと別の店も見て見るのだ」
亜里砂さんに連れられて今度は地下2階へ。
こっちはスポーツ全般の店だ。
でもちゃんとトレッキングというコーナーがあって用具全般を売っている。
「うーん、此処の方が少し安いかな」
「でもさっきの物の方が色とかデザインがいい感じだったような気がします」
「同感なのです。こういう時は焦らずに一度頭を冷やす方が正解なのですよ」
そんな訳で頭を冷やすつもりで他のコーナーへ。
取り敢えずバーナーとかのコーナーを見て見る。
「亜里砂さんのガソリンの奴、あれってかなり高いんだね」
1万5千円ちょいする。
「登山以外の活動も多いから、こういうコンビニでも買えるガスのものがいいかもしれないのですよ」
未亜さんが指したのはカセットガスを使うタイプ。
先生も山以外ではよく使っているタイプだ。
「安いので3千円位からか。これなら無理すれば買えるかな」
「でも先生の家に色々種類があるのですよ。その辺を一通り使ってから自分のを決めても遅くないのです」
「確かにそうですね」
「でも、これは可愛いかも」
彩香さんが指したのはランタンだ。
きゅっとガラスが真ん中で膨らんだ形になっていて中に蝋燭のように炎が出るタイプのガスランタン。
「きっと実用なら電池式のライトの方がいいんだろうけれどね」
「でもこういうのもいいででよね。屋外で使うと雰囲気が出て」
これは4千円くらいか。
買えなくも無いなと思いつつ考えを振り払う。
いけないいけない。
僕は僕で自分の最低限を出来るだけ揃えないと。
優先課題は寝袋とマットと鍋にもなる食器だな。
そんな感じでこっちのお店の寝袋コーナを見て見る。
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