第3部 秋・9月から~

第11章 秋の部が始まります

第232話 秋が始まった

 翌日。

 昼頃にマンションを出て縦浜駅まで歩いて。

 電車1本、所要30分、340円で帰ってきた。


「電車だと本当、あっという間だね」

 なんて彩香さんがちょっと寂しそうだったけれど。


 まあその後も学校プールで普通に彩香さんとは会って。

 彩香さんは25メートルプールなら端まで泳げるようになって。

 そして9月の授業開始を迎える。

 ただその前の8月31日に、実は部員全員が集合している。


「これだけ減ったら、あとは各自の冷蔵庫や冷凍庫に入るだろう」

 そう。

 家庭科室の冷蔵庫の整理撤収だ。

 僕や彩香さん以外も順調に消費していたらしい。

 入れた時の4分の1以下になっていた。


 皆さんそれなりに消費していたらしく、特に文句も出なかった。

 でもきっと、僕や彩香さんが一番消費していたのでは無いだろうか。

 学校にいた期間が長く、亜里砂さん家に持ち出した量も多いから。


 そして9月1日火曜日放課後。


「実りの秋とも言うけれど、実りを迎えるにはまだ時間がある。だから当分は夏と同じく、釣りとか海系が主になるかな。泳ぐのはクラゲが出てきているのでやめた方がいいけれど」

 そんな感じで今週の活動についての話が始まった。


「確かに歩いたりするにはまだ暑さが厳しいのです」

 未亜さんが同意。


「そうすると釣りか自転車かな」


「そうだな。10月になると色々な実もなりだすけれど、それまでは夏と同じ感じの釣りとかがメインだな」


「もう一回皆でサイクリング行ってみてもいいですね」


「今度は風向きをちゃんと確認しておくのです」

 等、先生も加えて色々話し合って。


 取り敢えず今週末の土曜日は釣りをする事に決定した。

 場所は久しぶりの水戸浜。

 エサはコマセ用のアミ2キロとオキアミ。

 それ以外を使う時は各自持ちで。


「もう少し涼しくなったら新頭子駅の裏の川で大きめのハゼが釣れ始めますね。あとは車で1時間ほどの処にクルミの実が取り放題の場所があるんです。

 学校の裏は昨年アケビや山芋のムカゴが獲れたので、今年も獲れると思います。キノコ類は私は詳しくないので無理ですけれど」


「ドングリも食べられる種類があるしさ。自分でも色々調べてみな。案外色々と面白いものが身近にあったりするからさ」

 なんて話も出る。


 土曜日に向けて今回も美洋さん、未亜さん組は何かを企んでいる様子。

 先生に頼んで何か新兵器を購入して貰っている模様。

 僕は基本通りのサビキかな。

 そして。

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