第114話 雑草駆除ではありません

 そんな訳で。


 まずは食べられる野草の採取からスタートだ。

 まずは学校裏に群生しているフキとかミツバから採取開始。


 更に花壇を侵食しかけているスベリヒユとか。

 しれっとその辺に生えているシロザとか。

 学校境の金網にくっついているヤブカラシの新芽部分とか。

 学校駐車場の隅で伸びまくっていたツユクサとか。


 雑草を駆除するような勢いで採取してはバケツに突っ込んむ。

 ちなみに暑い。

 この学校は低山の谷間にある。

 風が通らないので不快指数は最高だ。

 その鬱憤を晴らすかのように獲物を捕りまくる。

 まあ獲物と言っても雑草扱いのものばかりなのだけれど。


 結果。

「流石にもうこれで充分ではないかい」

と川俣先輩が言う程の収穫をしてしまった。

 本来の山菜なら怒られそうな状態だ。


「ならば今日はこの辺にしておいてやるのです」

 と未亜さんが撤収準備に入る。


 ちなみに本日の収穫。

 部の備品として買った200円のプラスチックバケツ3つに溢れている。

 フキだけでバケツ1つ分だ。


 取り敢えず、

「暑いので昼食休憩。次の集合は午後3時な」

「もっと早いほうが時間に余裕が出来ると思うのですが」

「これくらい遅くないと漁船が動いていて面倒らしくてさ。あと今日は潮の関係で遅い方が有利らしい」 


 という事でとりあえず解散。

 見ると半袖の先の腕が完全に日焼けしていた。

 暑いというかやばい。

 日焼けクリームでも塗っておけば良かったのだろうか。

 持っていないけれど。


 取り敢えず採った野草バケツごと先輩、僕、未亜さんが寮へ持ち帰った。

 水に浸けるなり濡れ新聞紙被せるなりして。

 寮の自室でエアコン効かせて置いておく。


 僕はエアコンを最強にして。

 昼食用に買った菓子パン2個を食べつつ。

 釣り用の装備を確認色々確認。

 僕が持っていくのは竿1本。

 仕掛け入りプラスチックボックス。

 折りたたみ式水くみバケツだ。


 仕掛けの数と種類は充分揃っている。

 各種おもりやウキなども大丈夫

 針を外したり何かと便利なラジオペンチとか。

 トゲがある魚用の魚挟みとか。

 何かと使う頑丈で切れ味のいいハサミまで。

 ひととおり確認して荷造りして。


 これで準備は万端だ。

 

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