第73話 お尻の痛みは前兆か

 そんな感じで休んで、そして出発。

 途中から枝ノ電の線路と併走する感じになる。

 そして追い抜かしていった電車が駅で止まったところに追いついた。


「競争してみます」

 美洋さんが思い切りよく飛ばし始めた。

 30キロ以上は出しているだろう。

 未亜さんがしょうがないな、という感じでついていく。


 やがて線路は左の道路と合流して右へと別れて。

ちょっとした礒を超えたらもう枝ノ島はすぐ。

 砂浜を枝ノ島へと向かう道路はそこそこ人がいたのでゆっくりと走り。

 枝ノ島に入ってすぐの公園で作戦会議。


「神社側は人が多いし狭いし階段もあるしですが、どうしますか」


「取り敢えずこのまま左へ、自転車で行けるところまで行ってみましょう」

 という事で、奥へ奥へと進むと。

 大きい堤防の手前で門があり、そこから先は自転車等は禁止になっていた。

 なので自転車は端に停めさせて貰って、そこから歩いて堤防へ。


 堤防の幅は30メートルくらいありそうだが、先はあまり長くない。

 せいぜい100メートルくらいのところに白い灯台がありそこで終わり。

 そして釣り人がだーっと横に並んで糸を垂れている。


「大声で言えないけれど、あまり釣れていない感じだね」


「もっと難しい釣り方で大物を狙っているんだと思うのですよ」


「私は小さくても確実に釣れてくる方がいいなあ」


「私もそう思います」

 なんて感想を言ってから引き返す。

 自転車のところで相談。


「さて、これからどうする?」


「とりあえずさっきの公園に戻って軽く御飯を食べましょうか」

 と言うので自転車で戻る。

 海の横のデッキ部分で自転車を停めて休憩。


「うーん。疲れはしないですけれど、微妙にお尻が痛いですす」


「そう言われれば私もなのです」


 実は僕もだ。

 でも何となく女の子の前でお尻という単語を言いにくいので黙っている。


「ここでのんびり御飯を食べたら少しは楽になりますよ」


「そうですね。でも何かあちらの神社の方、色々お店がありますけれど」


「あっちは観光地値段で高いのですよ。中学生にはちょっとしんどいのです」

 といいながら各自バッグからお昼を出す。

 厚生棟のコンビニで買ったパンとかおにぎりだけれども。

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