第121話 まさか決行?第2弾

 あれだけあったおかずも、8合炊いたという御飯も全て無くなり。

 あのバケツ一杯あったはずのフキすら食べ尽くして。

 全員で洗い物などをして片付けて。

 夜11時30分という遅い時間にこの集まりは終わった。


「いやあ、夏第1弾、なかなか良かったのですよ」

 未亜さんが満足そうに言っている。


「おなかいっぱいですね」

 美洋さんがお腹をさすっている。


「でも夏は始まったばかりだぞ。まだ海水浴も夏山も沢もやっていないからな」

「沢ってあの高校の皆さんが倒れそうになったところですか」

「ウチで行くのはもっと楽で遊べる場所だ」

「遊び用の水着を買いに行かないといけないのですよ」


 そうか、水着か。

 なんて考えて。

 慌てて映像化しようとした想像力をストップさせる。

 いかんいかん。


「何なら明日水着や海用品の買い出しに行くか」

 と先輩が言ったところで。


「買い出しといえば」

 と先生が口を開く。

「買い出しといえば毎週日曜日の早朝、二崎漁港で朝市をやっているんですよ。普段は見られない魚が色々出ているんです。しかも魚屋さんより安くて新鮮。だから買って食べても面白いし、見るだけでも楽しいですよ」


 これは爆弾発言だ。


「いいですね、行きたいです」

 例によって真っ先に美洋さんが食いついて。


「でも5人だからなあ。移動手段が無いし」

 川俣先輩は冷静だ。


「草津先生の車があれば乗れるのですけれどね」

 未亜さんも。


 しかし。

「足元が狭くなりますけれど、5人なら何とか乗れる車を出しますよ。どうせ明日行くつもりでしたから。クーラーボックスはその小さいのを持って行けば大丈夫です。私はセミナーハウスの管理者。ですから鍵も持っていますしね」


 おい先生。

 明日早くも第2部をやってしまうのか。


「だったら……行ってみたいな」

「賛成の賛成なのですよ」

「美味しくて安い魚があればいいな」

 そんな感じで。

 場の雰囲気は一気に流れて……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る