第310話 山頂で山御飯
「あまりゆっくり作ると身体が冷えてしまいますしね。時短メニューですよ」
先生は先生、川俣先輩、僕のザックに分けて入っていた昼食の色々を取り出した。
内容的には、
・ 半分に折って水に入れた状態でジップロックに入っているスパゲティ大量
・ 色々入っているっぽい不明な調味料と油
・ キノコ各種の冷凍1袋。
・ とろけるチーズ10枚入り1パック
・ 薄切りベーコン3パック。
・ 粉末スープの素(コーンクリーム)10袋
という感じだ。
作り方は簡単。
① 大型コッヘルにパスタを浸している水と普通の水を入れる。
② 沸騰したら、スパゲティと調味料一式とキノコとベーコンを投入。
③ スパゲティが柔らかくなり水が減ったら粉末スープの素を入れて絡めて。
④ 熱いうちに各自の食器に盛って上に溶けるチーズをのせる。
で完成。
スパゲティを水に浸しておくと、半分くらいの時間で柔らかくなるそうだ。
また水が多少多くても、スープの素を増やせば問題無いとのこと。
そんな訳で早速。
「いただきます」
と食べ始める。
「うん、寒くて熱くて美味しいのだ」
味付けそのものは至極簡単なのに、確かに美味しい。
基本は粉末スープのコーンクリームスープ。
でもキノコやベーコンが大量に入っていて、かつ後載せチーズが程良く溶けてリッチな味わいになっている。
「これにも煎ったくるみを載せると美味しかったかもな」
「確かにそうですね」
「でもくるみ、学祭で使ったり他の料理でも使ったからもう在庫が少ないのです」
「あれだけ取ったのにね」
なんていいながら、伊豆半島や箱根、富士山まで見える景色を楽しむ。
「この先も歩いて行くけれど、次の丹沢山までどれ位かかるんですか」
「丹沢までなら休憩も含めて1時間半くらいですかね。塔ノ岳と丹沢山だけなら日帰りの範囲です。その奥の蛭ヶ岳まで行くと日帰りが辛い距離になりますね。そこが神奈川県で一番高い山なんですけれど」
「その場合はどうするのだ?」
「ここ塔ノ岳か丹沢山、または蛭ヶ岳の山頂の小屋で泊まることになりますね。基本的に丹沢は稜線上にテントを張れませんから。大倉尾根の真ん中辺りに1箇所だけテントを張れる場所があるだけで」
「見晴らしは何処が一番いいんですか」
「好き嫌いは色々あると思いますけれどね。私は丹沢ではここ塔ノ岳からの見晴らしが一番好きです。海も見えるし山々も見えるし。変化に富んでいて一番楽しいと思いますよ」
なんて話をしながら食べ続けて。
皆でかなり大きい鍋目一杯あったスパゲティをどんどん減らしていく。
僕も慌てておかわり。
うん、やっぱりこのベーコンの塩味も効いているなあ。
そう思いつつ食べ尽くす。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます