第291話 お昼御飯を調達しよう
10時10分の回は9時よりさらに客が多かった。
クッキーやナッツ担当を美洋さん未亜さんから彩香さん亜里砂さんに交代して。
ホットプレートにびっしりクッキーを並べて焼いて。
ナッツも何回も煎って出して。
体験の方もフル回転だ。
それでも何とか20分過ぎにはピークを越えた気がしたので。
今度は美洋さん未亜さん2人に休憩してもらう。
基本的な流れは試食して、回りのボードを見て、体験コーナーという感じ。
そしてやっと体験の方も空きが出始めて一息ついた40分過ぎ。
「基本はやはり美洋狙いなのだ」
小さい声で亜里砂さんが僕と彩香さんに耳打ちした。
やっぱり、と僕は思う。
それ位しか考えられない。
「未亜がたまに冗談でお姫様なんて言っているけれど、冗談ではなくそんな感じで思っているのも結構いるのだ。この辺は本人には内緒なのだ。本人は本当にいやがっているのだ」
「大変だね、美洋さんも」
淡々と次の波に備えて準備しながらそういう話をして。
11時ちょっと前には美洋さん未亜さんも帰ってきて。
そして同じように30分までフル回転。
「何なら全員のお昼を買ってきましょうか」
僕と川俣先輩が休憩の番になった。
でもこのままでは皆さん食事も取れそうに無いような気がする。
お昼辺りも混みそうな気がするし。
「そうだな。何を売っているか買えるかわからないし、適当に皆で食べられそうな感じに買って帰ろう」
と先輩もいう訳で。
しかし出向いた売店、パンとかは軒並み売れ切れ。
弁当も内容が今一つで高いものしか残っていない。
「仕方ない。取り敢えずこれで行くか」
スパゲティ2袋とサラダチキン2つ、刻みネギを買って。
そして先輩は袋を僕に押しつける。
「ちょっと寮に帰って道具と材料を持ってくる。悠は学祭を一回りした後、準備室でチキンをとにかく刻みまくっておいてくれ」
そんな訳で。
売店の袋をぶら下げてささっと料理研究会や写真部を回って。
準備室に戻っての中で言われたとおり、サラダチキンを包丁で刻んでおく。
余りに何も食べるものがなかったので、スパゲティで簡単な昼食を作るのだろう。
スパゲティならある程度適当に味付けすれば美味しく食べられるし。
鶏を刻み終わったところで先輩がやってきた。
でっかい鍋と、その中に調味料等を入れてきている。
「それで悠、済まないがちょっと彩香にこっちに来て貰ってくれ。あいつの魔法が一番手っ取り早い」
彩香さんは冷凍・冷却系の魔法が得意だけれど熱い方の魔法も使える。
お湯を沸かすのとかはヤカンや電気ポットより遙かに早い。
そんな訳で僕は彩香さんとちょっと場所交代。
僕は彩香さんに代わってミックスナッツやお茶を担当していると。
「ごめんね、ちょっとクルミの中身をいくつか持って来てって先輩が」
そう言って彩香さんがミックスナッツからクルミを拾って持っていった。
そろそろ出来るのかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます