第214話 休憩その1

 駅からしばらく歩いて。

 また住宅地の中の道路になった。

 車が多くなく歩きやすいのだが店がない。

 そして坂が多い。


 そろそろ休憩させた方がいいような気がする。

 まだ足取りが快調なうちに、取り敢えず1回。

 なんて僕の心配をよそに、2人は話しながら気分良く歩いている。


「住宅街は静かで歩きやすくていいけれど、今一つ盛り上がりに欠けるのだ」

「でも車の匂いよりはこっちの方がいいな」

「それは確かなのだ。でもプラスアルファが何か欲しいのだ」


 そして僕が捜し求めたいたものもやっと目に入った。


「ならあそこのコンビニで休憩兼買い出しをしましょう」

「待っていましたのだ」


「念の為に偽装魔法、いい」

「了解でありますのだ」


 ベジョータ、もとい亜里砂さんはますます絶好調の模様だ。

 そんな訳で休憩。

 亜里砂さんはここでドリンク購入。

 僕はミニあんパン5個入りを1袋買う。


「本格的に食べるのは別として、これ分けよう」

 店の外で袋から出す。


「いいの」

「勿論」

「私も」

 という事で3人で1個ずつ食べて2個しまって。

 そして。


「うーん、座るとやばい事になりそうなのだ」

「歩いている方が調子がいいかな」

 という事で歩き始める。


「今のコンビニでさっきの駅からJRの駅までの3分の1か」

「亜里砂、大丈夫?」

「せめてJRの新杉多までは歩きたいのだ。電車代が一気に安くなるのだ」


 亜里砂さん、ちょっと足に来はじめたかな。

 そうか、それならば早いうちに。


「何なら水とか重い物あれば持つよ」

 今回はちょっとだけ大きいザックを持ってきた。

 だからまだまだ容量がある。 


「うーん、でもイベリ子は下半身が重いのだ。通常1本8キロ前後なのだ」

「それは原木のサイズです」


「原木って何?」

「あとでネットで見た方が早いかな」

 なんて下らない事を言いながら歩く。

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