第125話 今日は刺身がメインです

「入ったら真っ直ぐ奥へ進んで、右にキッチンがありますから」

 と先生の言う通り。

 明るくて広いLDKと対面式の広いキッチンがあった。

 カウンター部分を使えば何人かで調理も出来そうだ。


「さて。さっさと魚を捌いてしまいましょうか。何か料理方法の注文はありますか」


「メインは刺身がいいです。あ、でも揚げ物も欲しいかな」

「多分食べきれないので煮物も欲しいのですよ」


 負けずに僕も言っておく。

「出来れば鯖はしめ鯖希望です」


「はいはい。では出来るだけ色々な種類を刺身で、鯖はしめ鯖で。あとは煮物揚げ物など、私のお勧め料理法でいいですか」


「ではお手伝い、3人程お願いします」

 という事で。


 いつも通り美洋さん、彩香さん、未亜さんが立候補するかなと思ったら。

 未亜さんは今回は別という感じだ。

 なので僕が参加。

 なお先輩はLDK横の和室で既に寝ている。


「それでは柿生君希望のしめ鯖から行きましょうか。鯖は下ろした事はありますか」


「この大きさは初めてです」


「基本は同じなのですけれどね。では見本から」


 というので料理に入る。

「まずは頭を取って、腹のこの辺を切って内臓を取り出します……」


 ◇◇◇


 いつもと比べて魚が大きいので感じが変わる。

 大きい鯖5匹をしめ鯖用に塩で締めて。

 ソウダカツオの1匹は血合い以外を刺身にして。

 更にソウダカツオ1匹はオリーブオイルとかコンソメと一緒に小鍋で煮込み中。

 大量のアジは刺身となめろうとアジフライへ。

 クロシビカマスと言っていた黒い魚はスプーンで身を掻き出してなめろうに。

 小さいカワハギも刺身に。

 先生が買ったカンパチの小さいの(でも大きい)も刺身にして。

 同じくシイラも刺身とフライで。


 ほぼ料理が終わったところで。

 骨とか頭とかまとめて水に浸けて血を抜いていたのを取りだして。

 水分を拭き取ってオーブンで乾燥させる。


「これは出汁用ですね」

「ええ。美味しい出汁が出るんですよ。カラカラに乾いたら野菜を適当に入れて煮だして。昨日焼いて圧力鍋でやったのは簡易版ですね」


 そんな感じで。

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