第344話 明けましておめでとう
そんな訳でディパックを持って図書館前へ。
中身はゴマふって寝かせておいた甘辛手羽先20本入りの大型タッパー。
あとは食器とか割り箸とか紙皿とか食器とか取り敢えず使えそうなもの適当に。
テーブル拭き用の雑巾も一応入れておいた。
さて、皆さんどんな感じかな。
そう思いつつ図書館へ。
まだ誰も来ていない。
どうやら僕が一番先に到着したようだ。
ついつい早く出てしまったせいだろう。
5分もあれば充分なのを10分以上前に出てしまったから。
ちょっと寒いけれど図書館前で皆を待つ。
1分も経たないうちに3人がやってきた。
「明けましておめでとー」
「おめでとう」
「おめでとう御座います」
「おめでとうなのだ」
それぞれ返事が返ってきた。
「どうだった、年末年始」
「31日に居残り組と七橋先生で日本の正月料理、おせちって言うんだっけ、あれを作って食べる会ががあったの。そして昨日は先輩と林戸神社に自転車で初詣に行って、帰ってから居残り組対抗羽根つきやって」
「何か僕よりよっぽど日本の正月をしているなあ。僕は年越しそばを食べて初詣に行った位だよ」」
「私は無事ザックなどの山道具一式を父からせしめたのだ。靴と雨具がサイズ合わないのであとで買って貰う約束をしたのだ」
「亜里砂いいなそれ。どんなものを貰ったんだ?」
「ザック大きいのと小さいの、ザックカバー、2~3人用テント、ガソリンバーナー、鍋、他色々なのだ。後で皆に見せるのだ」
「確かにそれは羨ましいな。一人で何処でも行けるじゃないか」
「父はこれをバイクに積んで向こうの方を旅していたらしいのだ。流石にもう年だから使わないだろうという事で一通り貰ったのだ」
「何か格好いいな、それ」
そんな事を話しながら図書館の中へ。
受付で2階の部屋を借りて上へ。
まあこの辺はいつもの通りだ。
「さて。まずは私と彩香から、おせち料理それっぽいの一式だ」
流石に重箱では無くタッパーだけれど、それでも赤白のかまぼこ、田作り、黒豆、ゴボウやコンブ巻き、酢蛸、エビ、煮物などが出てくる。
「何か本格的に作っていますね」
「何せ七橋先生監修だからな。買ってきただけじゃなくて仕上げは全部自分で手を入れている」
確かに七橋先生なら一通り作れそうだな。
「更におやつがこれだそうだ。これも先生と作ったもの」
タッパーの中に粒々の小豆、小さいお餅が浮いている。
「さっきレンジで温めたから餅も軟らかい筈」
おしるこまで用意した訳か。
「あとは白い御飯を鍋で炊いてきたぞ。今回は日本の正月だからさ、ビリヤニは無しだ。まあ実を言うと香り米が無かったからだけれどさ」
あの米で無いと作らないというのが先輩なりのこだわりらしい。
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