第11話 僕には基準がわからない
中学生の課外活動は17時まで。
今の時間は16時ちょっと過ぎ。
まだ2人とも部屋にいるだろう。
栗原さんは校内をすいすい歩いて行く。
まだ僕は完全に把握しきっていないので、ついて行くだけだ。
「それにしてもこういう事は完璧に覚えているんだな」
「暗記は得意なんです。丸暗記で済むことなら何とか」
前も似たような返答を聞いたな。
そんな事を思いながら理化学実験準備室を目指す。
部屋の扉をノック。
「どうぞ」
草津先生の声で扉を開けて中へ。
中は3人。
机に草津先生。
長椅子に川俣先輩。
そしてソファーに昨日はいなかった女子生徒。
女子としてはやや高めの身長。
黒い長髪。
面長系だが目は大きい。
全体としては美人と言ってもいいと思う。
バッチを見ると1年だ。
クラス内で見た憶えはないのでB組の生徒だろうか。
「これで同好会、成立なのでしょうか」
その女子生徒がそんな事を言った。
「まあ待て。この2人は昨日もお馴染みなんだ」
寝たまま川俣先輩がそんな事を言う。。
そして。
「今日は何のご用でしょうか」
そう草津先生が僕らに尋ねた。
「課外活動選択前の調査です。ここの活動の内容と、あとどれ位費用がかかるかお聞きしたいと思いまして」
「了解」
ふらーっと先輩が起きあがった。
ふらふらーっという感じで歩いて行く。
そして先生の机の横から何やら持ってきた。
よく見るとノートパソコンだ。
「栗原さん、パソコンは平気?」
念の為に聞いてみる。
「パソコンは大丈夫です。そういう物だと思っていますから」
僕には栗原さんの基準が良くわからない。
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