第282話 本日の活動内容
結局夕食のシチューも食べながら、とりとめのない話。
「自転車でどの辺りまで行ったんだ?」
「再湖1周のつもりだったのですが、結構簡単に終わりそうだったので近くの道の駅に行ってみたのですよ。そうしたら隣で野菜市をやっていて、つい買い出してしまったのです」
「林檎とキノコなんて、今考えると変な組み合わせでしたけれど」
「いや、ナイスだ。どっちも美味しくいただいてしまったけれどさ」
確かにあの林檎はよかった。
20分少しして火から外して、表面がさめたところでホイルを上部分だけ切ってはがして、スプーンを突っ込んでそのままいただく。
中が甘くてとろっとしていて凄く美味しかった。
「カヌーはどんな感じだったのですか」
「こっちも湖一周だよ。砂浜毎にポジションを変えて」
「面白かったのだ。何か探検という感じで、しかもすーっと湖の上をカヌーが滑っていくのだ」
確かに思ったより面白かった。
川とは全く違う感じで。
「ハイキングも良かったですよ。2時間くらいですけれど、富士山がとっても綺麗に見えて。ここの湖や川口湖もよく見えましたね」
「でも一番の贅沢は何もしない事だな。ここの静けさや空気を楽しんで」
なんて言いながら、食器にビーフシチューを入れ、ちぎったフランスパンやスプーンで食べて。
回りはバーベキューをやっていたり、鍋をやっているところもあったり。
それぞれ皆さん楽しそうだ。
「それにしてもこの焚き火台、いいですね。焚き火というとどうしても火の粉があがったり汚くなる印象があって、あまり好きでは無かったのですけれど」
「どうしても焚き火をしたくて買ってみたんです。そうしたら思ったより綺麗に燃えるし、粉も出ないし。直に置いてやる焚き火とはまた少し違う感じです」
「そうなんですね。大学時代ですけれど、焚き火で上がった火の粉で、テントのフライに小さな穴を開けてしまった事があったんです。今思うと燃えにくい生木が入っていたりもしたのでしょうけれど。それ以来焚き火は苦手だったんですけれどね」
ちょっと意外な事があったので聞いてみる。
「先生もアウトドアで苦手な物があるんですね」
「実は色々あるんですよ」
先生は頷いて、そして続ける。
「私は登山から入ったので、山登りとか最小限系のキャンプとかは得意なんです。でも逆に海系とか水系、自転車なんかはあまり知らないですね。例えばカヌー・カヤックも本格的な急流はやった事が無いですし、釣りも先生になってからですね。
本当は学校が頭子・葉耶麻にあるのだからヨットも挑戦してみたいんですけれどね。安くていい所が見つからなくて。スクールは3回くらい行ったんですけれどね」
そんな話をしながらのんびりして。
いつしか鍋の中のビーフシチューは空になった。
「あと20分で午後8時ですね。片付けて寝る準備をして、あとはテント内でにしましょうか」
という事になる。
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