第236話 秋の計画書
そうそう、この刺身の歯ごたえ。
冷凍や冷蔵でも日が経つと刺身にこの歯ごたえが無くなる。
久しぶりに食べて思い出した。
20センチ程度のサバ半身まるごとしめ鯖(というか漬け)はやっぱり美味しい。
そして先生の言う通り、タイに似た同じような刺身でも味が少しずつ違う。
さっぱり系、ちょっと濃いめ系、歯ごたえ系。
個人的に気に入ったのがアイゴ。
身がしっかりプリプリしていて美味しい。
あと小魚色々揚げたシリーズ。
どれも美味しいが、味がそれぞれ違ってなかなか面白い。
「この白いホクホクなのは何だろう」
釣って調理した未亜さんが首を傾げる。
「うーん、この形になると不明なのですよ。多分キヌバリだと思うのですが」
「どれ、どんな味」
美洋さんがそう聞くけれど。
食べてしまって残っていない。
「どれも1品か2品ものなので、次回にご期待なのですよ」
こういうのも面白いな。
そして話題は秋の活動へ。
「魚も大きくなって美味しいけれど、もう少ししたら秋の実の収穫だよな」
「どんなのがあるんですか」
取り敢えず聞いてみる。
「基本はドングリと銀杏で、あとはちょっと大きい河原に遠征に1回は行こうと思います。この河原行きはクルミがメインの目的で、他にクコの実とか色々あるものを探す感じですね」
「先生、キクイモはどうしますか」
「あれはあまり多くないし、花を楽しみにしている人もいますから。この辺のはやめておきましょう」
ふむふむ。
「銀杏は各自で早朝に出て拾ってくるのがベストかな。本当は学校から上にのぼって上山公園に行けば幾らでも落ちているんだけれどさ。あそこは『動植物採取禁止』って描いてあるからやめておこう。他にもいくらでも場所があるし。
食べられるドングリは学校から出て左側ぐるっと回ってのぼる千源山ハイキングコースのがいい。あそこはスダジイだから美味しいドングリだから。他に先生の家に行く途中のハイキングコースにあるマテバシイも食べられるけれど。私はスダジイの方が美味しいと思うけれど、食べ比べてみるのもいいかもな。あと他の丸っこいドングリは渋いから採らない方向で」
ドングリか。
ベジョータさんだな。
いやさん付けでない本物のイベリコベジョータの方か。
「ドングリは素材としても結構面白いんですよ。粉にしてパンとかクッキーにしてもいいし、そのままナッツとして食べてもいいですし。ハイキングしながら集められますしね」
「袋に入れてレンジでチンで充分美味しいんだ。個人的には軽く素揚げした奴が好きだけどさ」
「あれはカロリー高そうだけれど美味しかったですね」
ドングリって人間が食べても美味しいのか。
それもちょっと楽しみだな。
あとクルミの殻付きはどんな感じなんだろう。
色々期待は高まっていく。
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