第11章 秋は勉強のシーズンです?
第237話 明日は勉強会なのです
さて。
御飯を食べて片付けて帰る途中。
車の中でスマホの着信音がした。
彩香さんはスマホを取りだし、操作して何やら画面を見ている。
そして。
「悠君、亜里砂さんからお願いが来ている。勉強を教えて貰いたいけれど、明日は大丈夫かって」
「特に用事は無いけれど、何故にこの時期に」
今は特にテストとか何も無い時期だ。
期末テストも7月に終わってしまったし。
「B組は宿題が多いから、来年はA組を目指すんだって。クラス分けに使われる学力テストの範囲は1年10月までの内容だから、今までわからなかった処を完璧にしておきたいんだって」
動機は不純だけれど、やることそのものは正しいな。
「美洋も見習った方がいいのではないですか。夏休みの宿題、相当苦しんでいたと記憶しているのです」
美洋さんがビクッとする。
「あれは未亜は全然手伝ってくれなかったからです」
「自分の宿題は自分でやるのが正しいのです」
それは未亜さんの方が正しい。
例えA組の宿題量とB組の宿題量に激しい差があったとしても。
「考え方としてそれは正しいな」
先輩がそんな事を言う。
「2年以降のクラス分けに使うのは業者が作成した基礎力調査テストだ。あれは一般の中学校だと10月までに終わる範囲が対象。この学校だと1年なら9月頃の内容までだ。だからそこを確実にしておくという発想は間違っていない。
ただ、その熱意と努力がどれだけ続くかだな。
あと参考までに言っておくと、場所としては図書館2階にある会議室のうち小さい部屋を借り切るとやりやすいかな。小さい部屋を借りる人はそんなにいないから、大体空いている」
なるほど。
いいことを聞いた。
「なら亜里砂さんに返事お願い。いいよって。時間はどうする?」
「図書館が開く9時でいいんじゃない」
「そうだね。それでお願い」
「わかった」
と彩香さんが言ったところで。
「あと美洋と私も参加するので宜しくなのです」
と未亜さんから追加が入る。
「未亜」
「美洋も基礎固めが必要なのですよ。何なら日曜1回だけで無く、放課後に続けてやるくらいやった方がいいのです」
未亜さん、厳しい。
「実のところ美洋がB組に入ってしまったのは私の誤算なのです。ぎりぎりA組で済むだろうと思ったのですが、私の判断ミスだったのです。ですから秋のうちに、特に苦手な数学だけでもきっちり仕上げるのです」
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