第15章 学園祭がやってきた

第288話 学園祭がやってくる

 さて。

 あの楽しいキャンプの後は、色々現実的かつ忙しい日々が待っていた。


 放課後の文化祭準備のパネル作りとドングリ剥き。

 業者テストとその自己採点。

 自己採点を元にした復習の勉強会。

 息抜きのハゼ釣りなんてのもやったけれど。


 でもおかげで文化祭準備は大分進んだ。

 今は10月30日金曜日の放課後。

 僕は展示用パネルを作成中。

 昨年使ったパネルを出して、昨年の文書部分を剥がして、僕の作った文書を拡大印刷したものを貼り付けて。


 パネルには防水タイプの壁紙を貼ってあるので、昨年の文書部分を剥がせばそのまま使用可能。

 ただ綺麗に剥がすのは難しい。

 残ってしまった紙の痕跡は今年の文書を貼る場所を同じにすることで対処。


「しかし、やっとこれで準備が出来た訳か。あとは月曜日にパネルを隣に持っていって展示して、部屋をちょっと装飾すればいいな」


 僕以外のパネルは既に出来ている。

 春夏の山菜は未亜さんと美洋さん。

 秋の山菜は彩香さんと亜里砂さん。

 それぞれ2人がかりだから。


 僕はパネル案こそ最初に出したものの、修正とかWeb版の追加とか色々作業が入ったおかげで最後になってしまった。

 他にも僕の個人持ちコーナー用の説明とかも作ったし。

 なお川俣先輩はWeb版のとりまとめとポスター作成担当。

 既に校内の主な掲示板にポスターを貼って。

 校内サーバにWebページを開設済み。

 現在は試食用の料理を色々作成中だ。


 なお文化祭は3日火曜日実施。

 2日の月曜日は1日全部準備に充てていいことになっている。


「月曜は隣の物理実験室Ⅰを飾って、皆で料理を作ればいいんですね」

 テーブルをクロス代わりの布も学校経由で調達して貰ってある。

 本当は寮の予備シーツなのだけれど、洗って返せば大丈夫だそうだ。


「料理はドングリクッキーがメイン。明日の残り時間で仕込んで当日焼けばいいのだよな」


「ドングリは冷めると美味しくないからね。その場で煎って食べるの以外は、クッキーを焼き立てて出すのが一番だと思う」


「ホットプレートは月曜日に七橋先生が持ってきてくれる。料理用ガスバーナーはポーダブルガスと一緒で草津先生。ドングリ炒り用のフライパンは先生が持っている分と、彩香以外1つずつ。あと日曜日はバターとか色々買いだしだな」


「僕の方の追加ドングリ拾いもやる予定です」

 そんな感じで。

 学園祭はすぐ目の前。

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