第205話 まずは急いで後始末

 そんな訳で。

 大量の装備と大量のおみやげとともに。

 僕達野遊び部の面子は草津先生自宅に戻ってきた。


 そして。

「やっぱり車は怖いから、家の中へ運ぼうか」

 とお土産の箱をえっさほいさと運ぶ。


 ただ使えるのは川俣先輩、僕、先生の3人だけ。

 他の面子では2人がかりでも箱を持ち上げるのがやっと。

 なので専ら先生と僕とで一緒に箱を運んでキッチンへ持っていく。

 残りの面子で箱の中身を冷蔵庫に仕舞うという仕組みだ。


 たった4回、10メートル程度運ぶだけだけどこれが辛い。

 しかも外はギンギンな夏。

 暑い。

 島よりこっちの方が暑く感じるくらいだ。


 汗びっしょりになりつつも、装備一式の方に取りかかる。

 カヤックは使わなかったからいいとして、他はまず水洗い。

 広いコンクリ敷きの部分に竿とかバケツとか並べて、ホースで放水。


 リール部分等も含め水で洗いまくる。

 とにかく塩分を残すなという先生の厳命だ。

 水で洗って大丈夫かとも思うが、塩分が残るよりマシらしい。


 そんな事をしていると、先生が車で出かける模様。

「1時間程買い物その他行ってきます。ついでですから七橋先生のところにお土産も渡してきますね。お昼御飯も買ってきます」


 そして一通り水で流し終わった僕はやっと室内へ。

 冷房が効いている。

 急いで作ったらしい冷たい麦茶を貰って一息。

 生き返った感じだ。


「何か島よりこっちの方が暑いよな」


「確かにそうなのです」

 未亜さんが同意してくれた。


「ただここは高台で風が通る分まだましなのです、きっと。学校はきっと酷い事になっているのです」


 言われてみると確かに。

 盆地っぽい地形で風が通らないからな。


「他の皆さんは」


「順に風呂入って奥の部屋で伸びているのです。最近起床が早かったのでその分眠いそうなのです」


 なるほど。

 確かに言われてみれば眠いような気がするな。

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