第142話 無人島に出発

 草津先生自宅で装備の確認や持ち出しの為に一泊。

 そして7月27日月曜日朝7時ちょうど。

 装備一式を草津家のコンクリ敷きの部分に置いて。

 僕らは待っていた。


 装備は山盛りという感じ。

 カヤック一式やら

 釣り装備色々とか。

 大量に作ったセルビンとか。


 中にはなかなか大がかりなものもある。

 最大の物は美洋さん未亜さん合同でつくった怪しい奴だ。

   ○ 100円ショップで売っていたゴミ用の網20個以上

   ○ 裏山で切ってきた大量の篠竹

が主な製造材料。

 製作諸費用2500円程度というブルジョアな仕掛けだ。

「上手く行けば魚一網打尽なのですよ」

 というがどんな仕掛けなのだろう。


「あ、来ました」

 というので全員が空を見る。


 僕と先生だけがきょろきょろしている。

 どうも2人以外には移動住居が見えているらしい。

 そして次の瞬間。

 僕らは装備ごと畳敷きの大広間にいた。


「これまた随分大荷物ねえ」

 小暮先生が呆れた目で見ている。


 大広間にいるのは小暮先生の他、律化先輩、雅先輩、朋美先輩、理奈先輩、朗人先輩、文明先輩。

 ここにいない数人は操縦席の方にいるのだろう。

 なお今回から名前で呼ぶようにと言う連絡事項があった。

 向こうも部内では名前で呼んでいるそうなので。


「釣り竿は共同使用用ですからね。カヤックも同じく」


「あの竹がついた網っぽいのと、大量のペットボトルは?」

「あれは私達の個人装備なのですよ」


「何か随分気合いを入れて準備したみたいですね。うちはナイフと熊手、軍手とシュノーケル装備くらいなのに」

「冗談で銛だけはそれっぽいのを自作してみたけれどな。適当な金具を切って叩いて削って」


「律化先輩は高3ですけれど受験準備はいいんですか」

「夏に数日遊ぶくらいで落ちるような実力は実力じゃ無い」

 とんでもない事を言っている。

 真面目な受験生に申し訳無い。

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