第208話 まずは水泳練習から

 そんな訳で今日はゆっくり起きて。

 学校指定の水着と帽子なんて用意して。

 寮からのこのことプールに出かけた訳だ。


 学校のプールの時間は午後2時から午後4時。

 だから午後1時55分に寮を出て。

 プールに着いて更衣室で寮から着てきたTシャツと短パンを脱いで。


 プール出てみると見事に空いている。

 先生と僕含めて6人しかいない。

 考えてみれば今日はまだ8月6日。

 大体の生徒は実家に帰省している訳だ。

 残っているのは帰省の宛てが無い一部留学生とか僕のような実家が苦手な人か。


 そしてこの学校は基本女子ばかり。

 僕以外は全員女子だ。

 そしてプール内、端っこの方にいた女子が手を振ってきた。

 彩香さんだ。

 そっちに歩いて行く。


「早いね」

「大体時間30分前からプール開いているから。皆それくらいに来ちゃっている」


 なるほど。

 プールにそのまま入ろうとして、七橋先生に注意された。


「そこ、一応体操をしてから」


 仕方ないのでラジオ体操第1をやった後、プールへ。


「でもそう言えば、海では一応泳いでいたよね」

「フル装備つけていれば平気なんだけれどね。装備無いと自身無い。勝手に足がついちゃう」


 なるほど。

 でもそれなら泳ぐの、案外簡単なんじゃないだろうか。


「人の身体で軽いのは空気が入っている胸部分だからさ。どうしても自然にしていれば上半身が上で足が下になるんだよ。だから頭は呼吸する時以外は意識して沈める位で、その分バランス的に下半身を浮かせる感じで」


「わかってはいるんだけれど」

 彩香さんはそう言ってただ浮いた状態になる。

 最初はいい感じだけれど、徐々に足が沈んできて。

 そして足がついた。


「こんな感じ」


 うんわかった。


「もうそれが出てきていれば泳げると思うけれどな」


「どういうこと?」


「あとは足を沈まないよう動かせばいいだけ。例えば平泳ぎ、あまりきれいなフォームじゃ無いけれど」


 実際にプール中程まで泳いで、ターンして戻ってくる。


「こんな感じ。足を開いて縮めて、揃えて水をキックする感じで伸ばす。腕は足を縮めていて速度が落ちている時にがっと水を掻く。

 まずは

 ① 足を伸ばして縮める

 ② 腕を伸ばしてかく

これを別々に、交互にやって進むかどうか試してみて。呼吸は足をついていいから」

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