第13章 文化祭に向けて

第273話 文化祭の計画は?

 そんな訳で学期末休みは結局遊び通してしまった。

 朝から昼に釣りをして、昼ご飯を食べて、買い物に行って、帰りに並木で銀杏を探しつつ帰って、料理をして皆で夕食を食べる。

 ちなみにハゼの天ぷらがあると、炊飯器は4台必要だという事も判明。

 1人当たり2合近く食べている計算になる。


 そんな感じで3日間遊んで。

 10月1日木曜日、後期始業式を迎えた。

 式典と授業を乗り越え、放課後を無事迎える。


「それにしても秋はやる事が多いのだ。団栗や銀杏も拾わなければならないし、ハゼや魚も釣らなければならないのだ」


 亜里砂さんはもう野遊び部に完全に定着している。

 喰意地だけでは無く体力もそこそこ程度にはあるし、釣りはなかなか上手い。

 言葉遣いは独特けれど人当たりもいいし。


「10月だと再来週が3連休ですね、土曜日曜月曜と」

「釣りかハイキングか自転車か、迷うのだ」

 なんて言っていると。


「11月の3日に文化祭がありますよ。そろそろ何をするか決めた方がいいんじゃないですか」

 そう先生に言われる。


「文化祭の発表って、強制ですか?」

「文化部は一応全部やることになっていますね。同好会を含めて」


 全く想定していなかった。

 でも。


「どんな事を発表するんですか」

「昨年は『学校近くで食べられる野食』と称してパネル展示をやったな。フキとかミツバあたりからはじまって、魚釣りとか採取もの色々の写真を展示。ものによっては料理の作り方や調理後の写真とかもだな」


 それって。

「何かいつもやっている事そのままですね」


「文化祭の発表だからそんなものだな」

 なるほど。


「なら今まで撮った写真を選んでプリンタで印刷して説明加えれば充分ですね」


 時間はそこそこかかるけれど、幸い写真は色々撮ってある。

 美洋さんがフキを煮ているところとかの写真も入れれば充分枚数は稼げる。

 しかし。


「パネルだけでは面白く無いのですよ」

 未亜さんがそんな事を言い出した。


「どうせなら試食もして貰った方が面白いのです。例えば団栗の生と煎った後と調理後を試食出来るようにして、実体験してもらうのです」


「なら実演もしてみますか。煎って中身を取り出すところとかも」

 彩香さんも何かのってきた。

 まずいな。

 僕は極力手間のかからないようにしたいのだけれども。

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