第187話 保存食が作れません
第2回目、20分燻製バージョンの蒸したソウダカツオを取り出す。
「あと、さっきは味見ですぐ食べましたけれどね。本当は10分以上は置いておいた方が香りが馴染んで美味しくなるんです。そんな訳でこれはちょっと待って、それから試食ですね」
いい感じの香りがする塊は焼き網に載せられ室内へ。
そしてあとは積極的な女子4人により、第3弾がさっさと準備されて燻製器へ。
「何か他に燻製出来るものは無いでしょうか」
美洋さん、そんな事を言っている。
「朝に釣ったスマとかソーダカツオ、まだ刺身のサクが残っているだろ。あれのうち今夜刺身にする分以外は蒸して明日の燻製用にしてもいいんじゃないか」
「ますは今寝かせているものの味をみてからですね」
「でも燻製以外に、あのオリーブオイル版自家製シーチキンも美味しいですよね」
「新鮮なうちはやっぱり刺身が一番だしさ」
「そう言えば今日のすだて漁の魚はどうなのですか」
「持ちそうなのはまず刺身で食べたから試したいしさ」
「なら今日は食事の時間を遅めにして、夕まずめの釣り優先にしましょうか」
完全に食欲中心の行動計画が作られようとしている。
そんな事を話しているうちに。
「そろそろ10分経っただろ。切ってくる」
という事で朗人先輩がキッチンへ持っていって。
きれいに斜めに切ったものを盛り付け、更に小皿2つとマヨネーズを持ってきた。
「基本的にバサバサしているからさ、マヨネーズやドレッシングで油を加えてやると美味しいと思う」
という事で試食第2弾開始。
「うん、この香りは正解」
「確かに醤油ドレッシングがあうのです」
「私はマヨ派かな。一緒にレタスとチーズ巻きたい。トマトもいいかも」
「ほぐしてお茶漬けもきっとありですね」
サク2つがあっさり消える。
そして。
「そろそろ第3弾時間なのですよ」
取りだして第4弾入れて。
取りだした第3弾は寝かして。
何かループしているような気が……
燻製は本来は保存食、
でもなかなか保存まで至らない。
理由は簡単。
保存する前に全員で食べてしまうから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます