第14章 秋はキャンプもいいですね

第277話 突如入ったキャンプ計画

 並べてみて野菜が足りないなと思ったけれど。

 それでも結局きれいに食べきった。


「サバ味噌、美味しかったです。あれは今後も作りたいですね」

「私はやっぱりしめ鯖なのだ。でも煮物の汁も捨てがたいのだ」


 そんな感じで。


「さて。午後は業者テスト対策か」


 10月16日金曜日に外部業者によるテストがある。

 成績に関わる訳でもクラス変えに関係する訳でも無いけれど、できればいい成績は採っておきたいそうだ。

 僕はぶっつけ本番の方が今の実力が良くわかっていいと思うのだけれども。


「前回は数学中心だったので、今日は英語中心なのですよ。問題も先輩からしっかりいただいてきているのです」

 既に未亜さんは準備万端という感じだ。


「それじゃ1時半に図書館前集合で」

 という感じで取り敢えずタッパーを回収して別れる。


 ◇◇◇


 そんな感じで盛りだくさんの週末を終え。

 ドングリ剥きとパネル作成に明け暮れた放課後を重ねた7日


「突然ですけれど、折角いい季節になりましたから、近場でキャンプでもしてみませんか」

 先生がそんなお誘いをかけてくる。


「カヌーの時も含めてテント泊まりをちゃんとやっていないですし、気候がちょうどいい今、一度体験しておこうと思いまして」


「乗ったのだ!」

 亜里砂さん、反応が早い。


「場所はどの辺りにする予定ですか」

 取り敢えず僕は内容を聞いている。


「今回はちゃんとしたキャンプ場でやろうと思っています。海岸沿いでキャンプできる浜辺もあるんですけれどトイレが今一つなので。再湖で交通費と食費込みで2000円位。カヌーも持って行く予定です」


「彩香さん、費用大丈夫?」

「2日で2000円なら、何とか」

 なら僕は問題無い。


「カヌーやカヤックは正直なところ、流れのある川の方が面白いんですけれどね。あと、ちょっと坂がありますけれど自転車を3台くらい持っていってもいいかもしれません」


「乗った!」

 亜里砂さんが再度そう宣言。

 この人食関係以外でもこんなに積極的だったかなと思って思い出す。

 そう言えば夜のハイキングを言いだしたのは亜里砂さんだった。


「場所とか日程とかは」


「未亜さんや悠君のことですから、テスト直後はどうせ勉強会に使うんですよね。でしたら3連休の初日に行って2日目に戻ってくる感じでいいかなと思っています。場所はさっきも言った通り再湖のつもりです。夜はそれなりに冷えるから防寒着をしっかり持っていった方がいいでしょう」


 テスト後勉強の事、バレているな。


「細かい持ち物表とかは明日までに作っておくよ。簡単なパンフも」

 川俣先輩がそう言ってくれた。

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