専ら力量を貴ぶべし
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曹操は、どんな問題が有っても、才能が有れば必ず登用すると天下に公言し、ただ能力だけを求めた。
人格的に難有るしちめんどくさい者だろうと、当時は人非人扱いされた道徳的行状に
曹操の敵・
――――
曹操は
――――
と言う自分ばかりか父や祖父まで
因みに
陳琳は曹操を指して、当時の常識では有り得べからざる背徳と、王朝にとって必要悪故に排除出来ない悪徳を掛け合わせた忌むべき存在だと決めつけたにも拘わらず、曹操は彼を重用した。
「魏武であるか……うーむ」
唸り、それでも意を決して
「では何を成せば良い。苦しゅうない、存念を申せ」
と、ご下問される
「皆も聞け。良いか? 今よりこの場は、無礼御免。誰が何を申しても一切構い無しとする」
ならばとわしも腹を括り、
「
と矢立を
世が変わり、しかも制度疲労を起こし硬直した大樹公家の制度では、恐らくは容れられないものであると知りながら。
――――
難事なれど、
関東は大樹公家のご威令
上様手づから、新たに
また、メリケンにミニットマンなる
右は
これに倣いて、上様に忠義ある土地土地の
――――
つまりだ。
難しい事だが、わしに荒療治だがすぐさま百万の軍隊を生み出す妙案があります。
関東は直轄領が多く、庶民は大樹公様の民としての誇りがあり武芸を身に付けた者が沢山居ます。
だから大樹公様が自ら兵を募り選別して新しく部隊を創設するのが宜しいでしょう。
兵士を選ぶに当って、身分で除外してはいけません。大樹公様に忠節を尽くしたい者を取り立てるべきです。
こうして創った親衛隊においては、出自を問わず能力だけを重視して、強い軍隊に仕立てましょう。
また、アメリカにはミニットマンと言う、民の中に兵を隠した土佐の一領具足のような民兵がいます。
これに倣って、あまり金を掛けずに非常時に集められる兵士を増やしましょう。
と言う事だ。
旧来の考えにある者達にとってわしの建白は、祖法である入り鉄砲の禁を冒したり身分の垣根をぶち壊したりする言語道断のもの。
果たして大樹公様からも、
「そこまでやらねば駄目なのか?」
との声が漏れた。
わしは睨みつける
「祖法は、大樹公家が天下の為に作られしもの。
断じて祖法の為に、大樹公家が建てられたのではございませぬ」
と言い放ち。
「聞けば、
先代様が旗本達をお召しになられたところ。三十路に届かぬ壮丁が、
帳簿の上では兵足り得ても、訳も判らず
それよりは。
弓
つまり、
黒船が来た時、旗本達の中には隠居して幼子を当主に立てた者が居ると聞きました。
先代の大樹公様の前に遣って来たのは、七五三を祝うような歳の子供と言う家もあったとか。
帳簿の上では数が集まっても、訳も判らず遣って来た幼児を戦いに行かせるなど出来ません。
それよりは、身分の低い者であっても大樹公様に忠誠を誓う者を採用し、
上様の為に戦う栄誉をお与え下さるのが宜しいかと思います。
と、一気に自説を捲し立てた。
そこへ、
「駄目なのだ! それでは駄目なのだ!」
横手から異議ありの声が上がった。
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