第30話 初めてのクエスト

「はっはっはっ!」とラゴスの大きな声が紹介所に響き渡る。


「まぁうちにくるのはこんなような探求士が多いってことだね」

「ええ、とてもわかりやすくて助かります」


 男ならではの会話のやりとりに近くで聞いているデミスはまったくもう、と言った表情で男連中を眺めている。


「それじゃ後は登録料をもらっていったん手続きは完了だ。もちろん何かあれば随時聞いてくれて構わないからね」


 ラゴスがカウンターに広げた樹皮紙をくるくると巻きながらセキに語り掛ける。


「はい。おいくらになりますか?」

「えーっと……初回の登録料は三百コバルだね」


 ラゴスの言葉にセキが固まる。金銭のやり取りの経験が極端に少ないため普段からお金を持ち合わせる習慣のないセキには払える気のしない額である。


「ちょ、ちょっと待ってくださいね……」


 セキは腰の布袋からコバルを恐る恐る取り出していく。


「十分の一コバル銀貨が一枚……コバル銅貨が五枚……十分の一コバル銅貨が六枚……百五十六コバル……」


 十分の一コバル銀貨が一枚の時点で既に足りないことは明白だったが往生際が悪くしっかり数えていくセキ。


 コバルは『銅貨』、『銀貨』、『金貨』がありそれぞれ『十コバル』、『千コバル』、『十万コバル』の価値がある。

 それぞれの硬貨は十分割されており例えば『十分の一銀貨』は銀貨の十分の一の価値『百コバル』として勘定されるものである。

 ちなみに一番上は『大金貨』という硬貨で『百万コバル』というとんでもない価値となっている。


「ごめんなさい……足りません……ちょっと登録待ってください……」


 カグツチが衣嚢ポケットの中で「船長の謝礼をもらっておけばよかったの」と囁いている声も聞こえている。


「あははっ。そうかいそうかい、それならステアさんの紹介だしまけておくよ」


 ラゴスは笑いながら金額を下げてくれようとするが――


「いえ、それならツケで……クエストして返すので……あれ? もしかして登録できないとクエストって受けられませんか……?」


 首を垂れながらラゴスの提案をやんわりと断り代替案を模索する。

 セキがここに来た目的はステアの負担軽減とその恩種おんじんたちへのお礼なのだ。ここでまけてもらっては意味がなくなってしまう。


「いや、ギルドの登録は星団立ち上げや入団、精選の際に身元証明等で必要になってくるものだからね。そういったものを必要としないフリーの探求士ももちろんクエストで生計を立てたりしているから紹介所側が許可すれば受注は可能だよ。でも……無理はしなくて大丈夫だからね? きみのペースで構わないから……」


(う~ん……ステアさんに好かれるだけあってひとが良すぎるなぁ……)


 酒場の探求士たちもラゴスのひとの良さを知ってか、ラゴ爺さんはあいかわらずだなー! 等と口にしていた。


「それじゃ先に登録書類だけ記載してもらっておいていいかな? そうすれば後は登録料のみになるからね……」

「はい。わかりました!」


 セキはラゴスの用意した樹皮紙に必要事項を記入といっても自身の名を書くだけだが、セキにとっては一苦労だった。子供が書くようなよれよれの文字で名を記入するとラゴスの前に樹皮紙を置く。そして昨夜考えていたことが可能かどうかを確認するために気になっていたことを口にする。


「これ、書類お願いします……ちなみになんですけど『百獣』って討伐するとどんなもんなんですか?」


 その言葉一つで紹介所に緊張が走る。

 ラゴスや酒場の探求士からすればルーキーが名をあげるために無謀な挑戦に挑もうとしている姿そのものだからである。


「百獣なら五千コバルは堅いと思うが……登録したばかりの探求士には危険すぎる」


 ラゴスは受け取った書類を丁寧にしまうとその真剣な瞳でじっとセキを見据えながら問いに答える。


「たしかに今、東で百獣の情報はあるが……あれは花芽ラワード以上の探求士や本葉トゥーラ級がパーティで倒すような魔獣だね……」

「ああ。にーちゃん悪いことは言わねえ……『あれ』は興味本位で狩りにいくもんじゃねえ……」


 ラゴスや探求士たちの表情と口調から東においてどれだけ危険な魔獣かを認識するセキ。本葉トゥーラ級パーティと言えばこの前のブラウたちのような感じだろうか、とセキは考える。


「えっと、まぁどんなもんなのかを知りたかったので……なんとなく雰囲気はつかめました」


 セキは軽く誤魔化しながらそこでさらに質問を重ねる。


「やっぱり百獣とかもクエスト発注はギルド直営とかそういうところにくるんですか?」

「いや……百獣や千獣等の魔獣は『共通脅威』として、ギルドが全ての紹介所に発注をかけるんだ……」

「ああ。ここにもきてるぜ? でもそれは『討伐』というよりも『警鐘』の意味合いが強いんだ」


 ラゴスの回答を補足するよう答える。それは暗黙の了解に近い意味合いともとれる。


「ようはどこどこの地区に百獣が出ている。だから付近の探求士は近づくなってことだ」

「その通りだよ……だから通常は受注されたクエストは受注印をつけて張り出しているが百獣等の場合は探求士はわざわざ受注をする必要がないんだ。他の紹介所にも発注されているから意味がないし、討伐結果を証明すればそれで報酬も支払われるからね……」


 セキはラゴスたちの丁寧な説明に深く頷きながらどの程度の強さかを把握し、ことも理解する。これでほぼ問題ないとセキは考える。


「なるほど……色々とご説明ありがとうございます。知らんことばっかりで……でも色んな紹介所に発注でギルドも大変ですね……」


 セキの疑問にラゴスが貫録のある髭を揺らしながら回答を示す。


「はっはっ! わざわざひとが知らせにくるってことじゃないんだ……伝達魔術でね。クエスト内容を通達するための魔具を利用して各紹介所に知らせているってことなんだ」

「な、なるほど……それは便利だ……」

「だからセキくんの登録もその魔具でギルド本部へ伝えるということだね」


 情報を大陸間で共有するのであればそれに備えた魔術式を用いた魔具で連絡が取れればひとの移動よりも何倍も早く共有することができるし時間差も少ない。

 魔具は魔術士以外でも使えることがメリットでありそれをフル活用しているなとセキは実感すると同時にエステルたちとそれで連絡してればよかったと後悔する――

 と、そこに準備を終えたステアが顔を出す。


「ごめんなさい。書類整理に手間取ってしまって……セキくん登録はできた?」


 ステアが顔を出すと探求士たちは女神でも見るかのように安らかな笑顔を見せている。とても幸せそうで何よりだ。


「あ~え~っとちょっとコバルが足りなくてですね……」

「え、そうだったの……? それなら私の手持ちで――」


 言いかけたステアに向けて手の平を向けるセキ。


「いえいえ、こういうのはクエストで稼いでこそ探求士じゃないですか。ステアさんのおかげでツケもきいたのでこれからクエストしてこようかと」


 ステアが心配そうな表情を見せるがセキは笑顔で答える。


「そう……それならいいんだけど……」


「最初のクエストならここらへんからがいいんじゃねーか?」


 そこに探求士がお勧めのクエストの張り紙を剥がしセキに渡す。『巨鼠ジャイアントラットの駆除』、発注者は村の外に畑を持っている農家であり報酬は『五十匹駆除で百コバル』となっており初クエストの探求士向けとして程よい難易度のクエストとなっていた。


「一日でやる必要もないし、何日か通って駆除すればいいしな。駆除の証明は尻尾でも切ってもってくりゃOKだ!」

「それなら焦ることもないしいいですね……」

「あら、テッドさんありがとうございます」


 セキがクエストに乗り気になりステアが笑顔でお礼を言うと張り紙を持ってきた探求士『テッド』は天を仰ぐように仰け反り満たされた表情を浮かび上がらせる。


「それなら俺からはこれだ!」


 もう一種ひとりの探求士『トッポ』がセキに手の平に収まるような深緑の液体が入った硝子瓶を差し出す。 


「えっと、これは回復薬……ですか?」

「おうよ! 鼠が相手とはいえ何があるかわからねえからな! もっときな!」


 気前よく回復薬をセキに渡すとステアもうれしそうな顔をする。


「あ、助かります……ありがとうございます!」

「トッポさんすいません、気を使って頂いて……」


 トッポはステアにお礼をされるなり自分の胸を掴む。どうやら高まる動悸が抑えきれないようだ。セキはステアに褒められるためのネタにされている気分ではあるが、嫌な気分になることもなかった。


「それとこれはあったほうが便利だから持っていきな!」


 最後に『チップ』が丸められた樹皮紙をセキに手渡す。

 広げてみると周辺の地形がまとめられた地図である。


「ありがとうございます、これで迷子にならなくてすみそうです!」

「あ、チップさんこっちが用意すべき所なのにありがとうございます」


 チップも前の二種ふたりの行動に漏れず髪をかき上げながら、いやいやと手を振って謙遜するそぶりを見せている。


「それじゃ物は試しですしちょっとクエストの確認もかねて行ってみますね」

「それなら俺たちもクエストに行くついでだから案内してやるよ!」

「お……早速出発かい……? 気を付けて行くんだよ……」


 セキが出発を告げるとテッドたちも出発するようでラゴスは受注クエストに認印を押しながら労いの言葉をかけてくれていた。


 四種よにんはそろってクエストに向かうため紹介所を後にする。出発の際にステアに見送られる三種さんにんはとても名残惜しそうではあったが。


 通りにでるために歩いているとギルド直営の紹介所から何名かの探求士が出てくる。するとテッドたちの表情が先ほどまでとは打って変わり険しくなったようにセキは感じた。


「おや~? テッドさんたちは今日も発芽ジェルミ級クエストですか? ご苦労様ですねぇ~」


 線が細く身長が高い。そして顔付きは蛇のようにいやらしい。その男は腰に煌びやかな剣を携え仲間と思われるメンバー三名と共におり開口一番にこの言葉とは。と、セキは内心思うが表情には出さない。


「あーなんだフリッツ。俺たちはお前に構うほど暇じゃねえんだよ」


 テッドはあからさまに不機嫌な様子でフリッツと呼ぶ男を睨む。


「おっと……それは失礼。たしかにあのような小汚い紹介所を使う探求士なんてめったにいませんからねぇ……それは忙しいでしょ~」

「なんだとてめぇ! 散々世話になっておきながら手の平返しやがって!」


 いやらしい顔付きをますます歪ませながら煽りの言葉を放つフリッツ。

 その言葉に反発するようにトッポが険しい表情に見合った言葉を返す。セキはステアの働く紹介所をバカにしたことで、この場で殺すと問題になるのだろうか、とすでに言葉を放つ思考を放棄している。


「ね~フリッツ~! そんなおっさんたち相手にしててもしょうがないでしょ~! その後ろの彼もここらへんで見かけたことないしルーキーとかってことでしょ? 先輩風吹かせたいんだろうし、ほっといてあげれば~?」


 仲間と思われる女もフリッツに語り掛けるようでいてテッドたちの痛い所を突いてくる。


「今日は子葉カタリィ級に上がれるかもしれない大事なクエストなんだしな! 前へ進む俺たちが振り返るような相手じゃないだろう! だがな~きみ! そんな体中に武器付けてても使いこなせなきゃ意味がないぞ! 初クエストで不安になるのはわかるがな! はっはっは!」


 もう一種ひとりの男も自然と煽ってくる。ある意味仲間同士の連携が良い。


「な、なんだと! そっちから絡んで――」


 テッドが叫ぶも最後まで言葉を聞かずに踵を返すフリッツ。


「おっと……私たちも巨蜂ジャイアントホーネットの巣の駆除を行わねばならないのですよ~。もちろん貴重な蜂蜜はちみつの採取もね。あなたたちができるなら変わってほしいくらいなのですがねぇ……ククッ……それでは、失礼」


 最後の最後まで嫌味をふんだんに盛り込んだ言葉を残し去っていくフリッツたち。それをテッドたちは歯ぎしりをしながら見ていた。

 セキは旅すがら幾度となく似たような経験を積んでいるが積んだからといって笑顔で受け流せるほどひとが良いわけはもちろんない。


「びっくりするくらいムカつくやつらですけど……殺していいんですか?」


 苛立つ表情を見せるテッドたちにセキが青筋を立てながら問いかける。


「やめとけ……悔しいがあいつはいいとこの坊ちゃんでその仲間も良家の息子や娘だ……装備にふんだんに金を掛けられる上にあいつら自身も探求士として筋が悪いわけじゃねえんだ……」


「ああ。最初……三年前くらいは自分の力で頑張るってラゴ爺の紹介所でやってたんだが……発芽ジェルミ級になったとたんにあの態度さ……しかも今の話を聞くと子葉カタリィ級も間近みたいだな……だから今日ギルドに登録したばかりのお前さんじゃちょっと荷が重い相手だ」


 テッドたちは悔しそうな表情をしながらもセキに相手の状況を説明する。問題を起こすと何かと面倒なのは理解しているセキは三種さんにんの言葉におとなしく頷いていた。



◇◆

「いやー変なことに巻き込んじまってすまなかったな! 俺たちはここから南だが、セキはちょっと東だな。そこまで見送るぜ」

「いえいえ、絡んできたのはあちらですし。それとお見送りありがたいです!」


 四種よにんは紹介所から出た後に東から村を出発することに決めていた。さすがにそこまで畑の距離もなく少し歩くと何事もなく畑に到着することができた。


「ちょっとここらへんから草木、あとあそこに見えるような森があるだろ? そこらへんからラットは畑の作物目当てにくるからそれを退治すればOKってことよ!」

「ふむふむ……丁寧にありがとうございます! これなら難しいこともないので!」

「おう! だが、ここからあんまり東に行っちゃいけねえぜ?」


 テッドの説明にお礼を言うとチップが注意を促してくる。


「というと……?」

「ああ。さっきの話にも出てたろ? ここから東にいくと『ガット川』って川があるんだ」


 チップが東側を指差しながら説明に入るとセキはそれに無言で頷く。


「そしてそこから南に行くとピック村がある。例の百獣が目撃されている所だ」


 チップのゆっくり動いていた指先がぴたりと止まりピック村の方角を指す。

 セキは地図で確認すればいいと思っていたが思わぬ形で場所を知ることができて内心喜んでいる。


「まぁ距離でいうと歩いて行ったら一日以上かかるような距離だ。そこまで心配するこたぁーないがな」

「わかりました。テッドさんたちもクエストなのにわざわざ案内してもらって助かりました!」


 チップの情報で場所と距離感を掴んだセキ。自身の脚力なら昼から昼過ぎには村に到着できる見込みを立てている。


「な~に気にすんな!お前も初クエストしっかり頑張ってな!」

「危ない時は逃げていいんだからな! ステアさんを悲しませるなよ!」

「はい! 肝に銘じておきます!」


 テッドたちは手を振りながら南へと歩いていく――

 三種さんにんの姿が見えなくなったことを確認するとセキは森へ視線を向けると一気に走り出し森の木に音もなく駆け上る。


「あれか……子犬くらいの大きさでわらわらいるな……」

「我の劫火で焼き尽くしてやればいいかの」


 太めの木の枝で中腰となり巨鼠ジャイアントラットを見渡しているとセキが一種ひとりになったことを確認したカグツチが頭によじ登りながら物騒なことを言いだしている。


「ねずみ相手に世界を焼き尽くす炎を出さないでくれ。それにおれと契約状態だから蝋燭の炎くらいしか出せないだろ……何より焼き尽くしたら尻尾持って帰れない……」

「不便な時代となったものだの……」

「安心してくれ。便利な時代でも劫火は困る」

「つれないのぉ……」


 不満気なカグツチをよそにセキは木の上からラットに向かって音を立てず羽毛のように軽やかに飛び降りる。


「おれが尻尾切って殺していくからとりあえずまとめててくれ。最後に拾っていく」

「わかったの」


 音もなく巨鼠ジャイアントラットの群れの中心に下りるセキ。

 あまりにも自然に降り立つその姿に警戒心の強い巨鼠ジャイアントラットが視線を送ることすらない。

 セキが背腰の小太刀に手を添える――

 巨鼠ジャイアントラットはセキを認識することもなくどの個体も等しく小太刀に尻尾を切断され返す刃に息の根を止められていた。

 風を切り裂く鋭さではなく風に乗せているように刃が流れていく。


「――我の身体ではそんなに持てんぞ」


 その姿を眺めていたカグツチの言葉に風と共に踊るような舞いがその動きを止める。


「ああ。これくらいやっておけばいいだろう」


 一分にも満たない時間が過ぎ去るとそこには息絶えた鼠と切断された尻尾が一面に散らばっていた。

 百本以上はある尻尾をカグツチと手分けして拾い集めると畑のそばに置いておく。


「報告は後だ。ピック村に向かおう」

「うむ。さっきの話だとどこの紹介所でも受けられるからもう討伐されとるかもしれんの」


 チップの指差した方角を見据えながら百獣討伐へ意識を切り替える。


「それならそれに越したことはないよ。ステアさんやラゴスさんたちへの何かを別で考える必要があるけど……」

「お主、ガサツたちにやった風の爪と羽以外にも素材あるのではないか?」


 百獣がすでにいない場合、討伐報酬をあげようという目論見が破綻する。そこでカグツチが代替案を提案してくる。


「ああ。なんか無駄に蝗の親戚みたいな魔獣を呼び寄せてたやつの素材とかあるけどまともに売れるのかな……牙嘴悪獣ガーゴイルをめちゃくちゃ神々しくしたような見た目でやたら強いやつだったけどあれもかなり歪な爪とか牙してるんだぜ? 羽もあったけどさすがに持ち歩けないしなぁ」

「強さと魔力源は比例するが……う~む売れるようにするには加工代金とかすごいかかったりするのかの?」


 セキはガサツ家に進呈した素材の他にも、過去に討伐した魔獣の素材をいくつか手持ちで持ち歩いていた。強力な魔力源ではあるがそれを魔具等に使用できるようにする場合にかかる加工費等がわからずそれを進呈することを躊躇っていた。

 そういう理由もありブラウたちには魔力源そのものではなく、故郷の村の鍛冶師を紹介するという形を取ることにしたということもあった。


「そうそう、加工とかして売れるようにする状態? 前のガサツさんの所はほら、あのひとならそのまま魔具に放り込んで使ってくれそうじゃない?」

「うむ。目に浮かぶの」


 セキとカグツチの脳裏に魔具をぱかっとあけ加工等知らんとばかりに魔力源を通常営業で交換しているガサツの姿が描かれている。


「コバルにしてほしいわけでもないからあれはそのままあげたんだけど。今回は使ってもらうのが目的じゃないからなぁ……」

「うむぅ……たしかにそれなら討伐報酬のほうが金額もある程度わかっとるから良いかもしれんの」


 セキとカグツチは共に眉間にしわを寄せ悩んでいるが。


「まぁここで悩んでてもしょうがないし、まずは様子を見にいこう」

「それがいいかの」


 気持ちを切り替えて百獣の目撃情報が出たピック村へと向かい疾走を始めた――

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