第148話 妖精幽
「――というわけで、そういえば話したことなかったかも……?」
話し終えた後、エステルが見渡すと、口を半開きにしたルリーテとエディットが目を輝かせている。
十から三十
「カグヤ様の契約精霊が
「そもそも
エディットの最後の言葉にエステルとルリーテの視線が虚ろな色を魅せると共に、ゆっくりと下がっていく。
その行動を確認したエディットは、どういうこと、と言いたげにチピに瞳を向けるが、
『チピ~……』
と、呆れたように首を振る真紅の小鳥。
出会った頃の可愛げが一切感じられない態度に、自然と青筋を刻むエディットだった。
「カグヤお姉ちゃんと一緒にいた
「たしか
ルリーテが言葉に迷ったように話を区切る。
自身と近い希少性を持つ種族。
それが何を意味しているかは歴史が示していたのだ。
「それで過去に乱獲された時代があるんですよね……なので、
ルリーテの躊躇いを察したエディットが言葉を紡ぐ。
「わたしも幼かったから断片的だけど、セキに聞いたらもっと違う話が聞けるかもしれないよね。精選でもめちゃくちゃ精霊に好かれてたわけだし……あわよくば……隠れ里的なところを知ってたり……」
さらにエステルが続いたが、少々自身の欲望も漏れてしまっているようだ。
「そこまで上手くいくとは……と言いたくなりますが、本心では縋りつきたくなってしまう自分が情けないですね……」
「そういう場所がほんとにあったらチピを差し出すので、
『――チピ!?』
ルリーテも加護精霊という立場を自覚しつつ、自身を戒めるように首を振る。
その横でエディットがしれっと相棒を見捨てているが、
それほどまでの格を持つ
◇◆
「いらっしゃいませ。昨日のお約束通り同行申請可能な探求士をリストアップさせて頂きました」
翌日。
エステルたちはクエスト紹介所に足を運んでいた。
「え~っと……お勧めの
並べられた
唯一の知識として、エディットが軽く話した男の姿を探すもリストアップはされていない様子であった。
「その通りです! そういう状態だからこそのお勧めは……日替わりですね!」
それってありなんだ……。
少女たちの脳裏に等しく
「他の例としては星団を指定する
「おぉ~なるほど……それに入団したい星団がある
エステルの言葉に男は、任せてくれ、と言わんばかりに胸に手を当てつつ、一礼を繰り出す。
「それでは早速明日から予定を組ませて頂きます。こちらでチェックはするつもりですが、何か問題などございましたら遠慮せずにお申し付けください」
「――はいっ! よろしくお願いします!」
「初見で怖さはありますが、同時に楽しみでもありますね」
「イケメンな方いますかね? イースレスさんみたいな方が良いですねっ!」
すっかりパーティに慣れ、自分の気持ちを偽ることなく言葉に出せるようになったという点では喜ぶべきだろう。
だが、エステルとルリーテの想像を上を行くミーハーぶりは、受付の男も思わず苦笑でその場を凌ぐほか、手立てを見出すことができなかった。
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