薄明のハイドロレイダー

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「ウォォォォオオオオオ！！！！！」

　モニターに出力された波紋のようなスピーカーから、ロボ菜（な）ちゃんの叫びが聴こえる！

「が、頑張れ！！！！！！」

　アタシは叫ぶように声をあげた。

「ほっしー！？ありがと！！！」

　ロボ菜（な）ちゃんの爪が更に激しく銀虎（ディストレス）を無効化していく！

「ウォォォォオオオオオ！！！！！」

「頑張れっっ！！！」

　絶対に無事でいて……

「ダァァァァァアアアアアアアアアア！！！」

「ロボ菜（な）ちゃん！！！」

　その光が

「オリャアアアア！！！！！！」

　失われる日が来ないでほしい

「グァアアアア………アアアアアア！！！」

「勝って！！！」

「うん！」

　遠くても、その強さはアタシの星だから。

「うん！！！」

　グァォォォォオオオオオオオオ！！！

　壮絶な獣の咆哮（ほうこう）……。

　大爆発（エクスプロージョン）と共に、銀虎（ディストレス）が光る塵（ちり）となって、セントラルパークの緑と共に消えた——。

　ライトに照らされた荒野に、一匹の緑の獣が、肩を切らして凛と、存在している——。

　パーク内の湖が干上がり、中から崇高な気配のするモクレンの木が現れた……

「あれが……」

　銀虎（ディストレス）が守っていた、ニューヨークのホーリーチェリー。

　紫の蕾（つぼみ）は、神様が設（しつら）えたように、透明な気持ちになる。

　ピー、ピー、ピー、ピー……

　みんなのホログラムモバイルが鳴った。