14
シュウジがちゃぶ台に焼き立ての卵焼きを置いた。
母の、甘い卵焼き。
アタシの好物。
母が、大皿に山のように盛られたポテトサラダをちゃぶ台にそいや!と置いた。
あれ?ポテトサラダは作るの手間だから、時間がある時にしか作らないのに、いつ作ったんだろ。嬉しいけど。
「
弟が三人分の麦茶を用意する。
あ、ほうれん草もアタシの大大大好物だ。
「「「いただきます」」」
アタシはポテトサラダを一番に食べた。
……作りたてだった。
「あのさ、母、その包帯どうしたの?」
母は昨日から、腕に包帯を巻いていた。
「母が乗ろうと思ったんだよ。血を採ったり、イオンバランス?を整えるために点滴したりしたんだけど、駄目だったんだ」
「へぇー……」
アタシはほうれん草を食べた。
え、母が?母はむかーし、昔、テニスでいい線行ったらしいけど、ロボットに乗るお母さんて。
アタシはちょっと面白くなってきてしまった。
「どうせ、29日後にはみんな死ぬんだし」
「ミカはそう言うとも思った」
母はせっせとアタシたちのグラスに麦茶を注ぎ足していた。
弟は、テレビ画面に繰り返し映るハイドロレイダーの姿に、目を輝かせている。
「ねぇ不謹慎、って言葉知ってる?弟よ」
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