246

「どうしたの!?」


 そうちゃんのコックピットが迫り上がっていく。


 モニターは全て消えてしまった。


 ——そうちゃんの手元に縮小された、メインモニター以外は。


「総員、サルベージ警防体制解除。これより順次、パイロットの回収及びレイダーの格納を行う」


「お、終わったってことだよね!?そうちゃん!!!」


 そうちゃんは応えない。


Hylabハイラボ生徒の皆さん、医務室はこちらです」


 ブライトオブノアのスタッフの人たちはアタシをそうちゃんから引き離そうとしてるように思って、アタシは叫んだ。


そうちゃん!終わったんだよね!?」


「こちらです」


「——っ!待って下さい!!」


 ……嫌な予感がした。ロボちゃんは……リイヤは、玲鷗れおんは無事なの!?


「ミカ」


 幸子さちこがアタシの手首を引いた。


「行こう、……私たちに出来ることは、いってコトだよ」


「元から出来ることはかったがな」


 ジュンも椅子から立ち上がった。


 ……そうだ。アタシに出来ることなんて……。


「……まぁ、少なくとも、空手少女には必要かもしれないがな。お前たちの付き添いが」


「空手少女ってロボちゃんのこと?ロボちゃんがやってるのは少林寺拳法だってば……」


「格闘技は詳しく無い……」


「行こう」


 リディアの小さな手に、アタシは頷いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る