40

「へー、これがシュウジ君の家かぁー☆」

 

 五億年に一度のアイドル——

 ハピたんこと鑑原幸子かがみばらさちこが、アタシの淹れた緑茶を飲んでいる。


「なんか可愛いわね。ん、おいし♡」


 世界のスーパーモデル、u-coユーコこと鑑原由子かがみばらゆうこが、母がスーパーで買った塩大福をもぐもぐとやってる。


「畳っていいわね~♤」


 名誉あるインスティチュート賞を幼い頃から4回も受賞した、名女優の鑑原雪子かがみばらせつこが、ウチのちゃぶ台で寛いでるッ!


 三女ハピたんは、プリズムを放つキラキラの太陽みたい、次女 u-coユーコは夜空に浮かぶ神秘的なアメジスト……長女、鏡原雪子かがみばらせつこは神殿にまつられた真紅のルビーみたいに輝いている。

 いや、絶対なんか出てる。


 皆んな手首に黄色キイロのライズブレスを付けていた。


「あの……」


「なぁに?☆」

「ん?ふふ♡」

「どうしたの?♤」


 ムリ!


 ショーコも結構可愛いと思うけど、なんかこう、平和な可愛さだし、アタシは美(少)女には慣れてない!


 シュウジよ、母よ……なぜ今夜に限って用事が?(母は残業、シュウジは久々の部活だから仕方ないけども!)もうサブローでもいいから来て欲しい!


「ねえねえ、ミカちゃんさ、小6だよね??私イッコ違いだしー、ハピちゃん☆って呼んでね☆タメぐちでいいからね☆」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る