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「ライさん、どうしたんですか?」
作戦は
エリアZの調査はレイダーによる撮影だけと決まった。
俺はいつまでも真珠のホログラムを見ていた。
「綺麗ですよね」
潮の香り――。
あの日のことを思い出す。
「美しいものは、美しいままに。どうして、ここに行きたかったんですかね」
「行ってみたかったからだ。きっとな」
「ライさん、珍しくロマンがあるじゃないですか」
俺は、投影された偽物の海の上に座った。あの日のように。
「お前はあるのか、行きたいところが」
「ありますよ」
その答えに、安堵する自分がいる。
「……どこかは訊いてくれないんですか?」
「知るか」
「なんなんですか」
楽し気に笑う若造が、今回の作戦を決めた。
こういうやつが育ち、化石みたいな俺は要らなくなる。
何も遺せず、忘れ去られていく。
「でも、綺麗ですね」
そんな
「
――綺麗だね、ライ。
お前の声が聴こえた気がした。
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