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「施設かアルバイト先が大世界の人工島アイランドオブピースに?」


「んにゃ、ないよ。岡山だ」


「晴れの国……」


「そう!ほっしぃ良く知ってるじゃん!」


 蒼空の太陽のような男。


 玲鷗れおんには影を感じない。

 清々しさすら感じていた。


実華みか、実は僕、玲鷗れおん君のこと知ってたんだ。カッコいいよね!」


 そういえば、学校の友だちとプロレスの動画を見てるって言ってた時があったっけ。


「明日8時、エリア阿蘇、烏帽子岳の麓の草原にてホーリーカンパニュラの撃破」


 げ!なんか今のアタシ、サブローっぽい。


「ガンバロー!」

「おう!」


 金髪と白い歯が眩しい。

 玲鷗れおんなら大丈夫な気がした。


 そう、玲鷗れおんならきっと。


 快晴のエリア阿蘇。烏帽子岳の麓には、美しい大草原が広がっている。


 若草色の草原に、巨大なツリガネソウカンパニュラの紫が映え、周りには管理されたAIdエイドの馬が放牧され、黄緑のナノゲイルレイダーとグリーンのハイドロレイダーがディストレス巨大な馬の……突進を受けていた!!!


「シュウジ!」


「ほっしぃ!ぐっ!!!」


 ナノゲイルレイダーがハイドロレイダーを受け止めなかったら、巨大馬の下敷きになっていた。


「シュウジ!!!」


 アタシの……アタシだけの力じゃ無理なのに……!


 懸命に馬を押し返すけど、アタシの力じゃびくともしない!


 不安げなAId放牧された馬たちが光景を見守っている。

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