　鼓動が跳ねる。

　バンドウイルカのすべすべの体が、光の中できらきら光って……跳ぶ！！！

　——バシャン！！！！！

　大きな水飛沫（みずしぶき）が足元を濡らし、歓声が起きた。

　カマイルカの、水を切るような鰭（ヒレ）——

　クゥクゥという可愛らしい鳴き声と、跳ねる水飛沫（みずしぶき）……——。

「凄いね……」

　沢山練習したであろう、イルカたちの素晴らしいパフォーマンスに、アタシは目が熱かった。

　小さな鰭（ヒレ）で、一生懸命に手を振るイルカに、ショーコも懸命に手を振っている。

「……こんな風なんだ、イルカって……」

　強く、楽しく、自由……。

「ん？」

「なんでもない、ねぇショーコ、凄いよ！！！」

　プールドームの天井から、惑星（ほし）みたいなビーチボールが降りてくる。

「届くのかな、あんな高さ……」

　心配そうなショーコを横目に、アタシは願った。

「届くよ」

　絶対に！！！

　アタシは、Sea（シー） liberty（リバティ） dolphin（ドルフィン）を駆（か）れない。

（レイダーの、変形形態をシュウジとジュンが会議をしてそう付けた。レイダーってつける決まりは別に無かったらしい）

　でも……でも……それで良しとしたくない！

「頑張れ……」

　小さなカマイルカが、助走をつける。

「頑張れ！！！」

　——世界が、変わる時。

　真っ白なお腹が煌めき、ビーチボールがばん！と弾けた——

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