薄明のハイドロレイダー

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　有り得ない力が、コズミナルエンペラーに集まっていることが分かった。

　こんな感覚、前にも感じたことが在った。

「ホーリーチェリー……」

　美しくて、嫌な感覚が黒い水素針（すいそしん）に集まってる。

　初めての時と同じ焦りに、アタシは汗を拭った。

「姉（あね）？」

「……大丈夫」

　怖い……。

　エンペラー（あれ）に乗っているのは、宗（そう）ちゃんと小松（こまつ）さんと関野（せきの）艦長だ。

　なのに、得体の知れない闇を集めるその姿は、知らない誰かのようだ。

「ダイヤモンドフリーズ！！！」

　星礫（ディストレス）が氷に包まれる

「……ダメ！跳ね返される！！！」

　イヤリングが、礫（テキ）がまだ機能している気配を察知した。

「充分です！三島（みしま）さん！全員！バリアを展開して下さい！！」

　禍々しいエネルギーが広がる

「姉（あね）！！」

「——っ！！！」

　闇に引っ張られそうになって動けない

「ほっしー！」

「ミカ！！！」

「っア……」

「「「「「アクアフルール！！！」」」」」

　碧い、バリアの向こう……

「IOP……消……失……？」

「姉（あね）！？」

　誰の記憶か分からない景色（イメージ）が流れ込んでくる。

　闇が、星礫（ほしつぶて）を覆う……——

　……悲鳴が聴こえる。

「姉（あね）！！！」

「シュウジ！！！操縦管を離すな！！！」

　無数に浮いた星が消え……

「ミカ！！！」

　物凄い風圧に飛ばされそうになる。

　……涙が……止まらなかった。