薄明のハイドロレイダー

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　キュンとする気持ちは、心を動かす力になる。

　リディアの励ましで、アタシはゲームに勝つことを諦めることを辞めた。

　ていうか、ほっしーちゃんて可愛い過ぎでしょ……！

　宗（そう）ちゃんにゲームで勝ったことは一度も無い。宗（そう）ちゃんは、身内に容赦無い！

　……でも、宗（そう）ちゃんが素（す）で暮らしを楽しんでることも嬉しかった。

　王子様然としてる宗（そう）ちゃんは、どこか楽しく無さそうで、虚（うつろ）な気がしてたから。

「サングラスくらいで、このハイパー・ネオ・ライジングサン・スカイショットが破れるかな！？ムンッ！！！」

　多分無理っ！！！

　でもこの試合（ゲーム）はチーム戦だっ！

「ウォアッ！！」

「何ぃ！？」

　渚の輩（れおん）が砂煙を上げながら、スーパースパイクを拾う！

「ナイスゥッ！！」

　マックスが綺麗なトスを上げる！

「私っ☆バレー得意なんだよねッ☆☆☆」

　幸子（さちこ）が空中で身体を反り、しなやかにボールを叩く！！！

「うわぁッ！」

「純之助（じゅんのすけ）！！」

　ジュンが盛大にボールを避けてサーブ権はこちらのものだ！！！

　……試合（ゲーム）が動いた……

　ワンサイドゲームだった流れが、いい勝負になっていく。

　……うん。アタシは動いてないけどね！？

　でも、太陽の下の仲間との試合は気持ちがいい。

　動けないながらも汗をかいてきて、アタシもジャージを砂浜に放った。