232

霧谷きりたに君」


 白くて小さな妖精みたいなリディアが玲鷗れおんの側に寄ると、ファンタジーの世界観。


 向こうのコートに見える魔王ジュンが揃ったら、完全にRPGだ。


「コレ、使って。サングラスだから」


「ノーマン、いいのか?」


「大丈夫。コンタクトもある」


 眼鏡を外したリディアのウサギみたいに真っ赤な瞳は、すぐに一般的なアンバーになった。

 幸子さちこがよく使ってるホログラムアイウェアと同じ仕組みだろう。


 玲鷗れおんが受け取った小さな丸眼鏡は、魔法がかかっているみたいに、玲鷗れおんにぴったりの大きさに変わったのはいいけど……なんか、やから感がさ!


「その手があったか☆」


 幸子さちこの瞳も飴色から綺麗な黒に変わる。


「これね、UVカット機能もあるんだよ☆ゴーグルおじさん!さ、来ーい!!」


 幸子さちこが体制を低くしてサーブに備える。


 アタシはジャージの裾をくい、っと引っ張られたのを感じた。


「えっと、サングラス予備があるから」


 白く輝く髪をお団子に纏めた小さなリディア・ノーマン。なんだこの可愛い生き物は……と思うけど、年齢とし玲鷗れおんと同じ高2らしい。


「あ、ありがとうございます」


 サングラスがアタシにピッタリのサイズに変わる……し、ホログラムモバイルに連動のもの凄いいいやつだコレ!


「勝とう、ほっしーちゃん」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る