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「いい?ミカちゃん、シュウジ君。相良さがら君……えっと、ジュン君かな?ハイドロレイダーは搭乗者パイロットの合力を活動エネルギーに変えていることは知ってるわね?ジュン君が乗ることによって、ハイドロレイダーの運動性はアップします。三人のベースしょくは白よ」


「凄っ!ジュン君凄いよ!!」


 星ヶ咲ほしがさき萩爾しゅうじがモニターを見つめて身を乗り出した。


「そして、ジュン君が乗ることによって、水素球ハイドロバレット発射装置ランチャーの実装が可能になります」


 どういう……ことだ。


星ヶ咲ほしがさき萩爾しゅうじが居るなら、我は不要に思う。


「ジュン、射撃シューティングやってたの?」


 水素球ハイドロバレット発射装置ランチャーの仕様説明が進む中、ほっしーがこそっと聞いて来た。


 射撃シューティングは現代、大人から子どもまで一般的ポピュラーな競技だ。

 中学に入り、辞めてしまったが、我も確かにやっていた。


 ……だが、沢山の観衆を前にするとイライラしてしまう我は、大会と相性が悪かった。


 これしか特技がない。


 だが、レイダーに乗って、あらゆるメディアで衆人環視される中、我が水素球発射装置これを上手く扱えるとは思えなかった。


「やっていた。だが辞めてしまった」


「……アタシ下手なんだよね」


 我より更に自信無さげなほっしーの苦笑に心が落ち着いたが……


「ま、シュウジがいれば大丈夫だけどさ」


 その台詞せりふに、イラッとした。

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