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 雷雲かみなりぐもも、今、あの黒いもやも、レイダーの輝き、力を行使する時に集まってくる。


 力を持ってしまった人類への警告なのか……


 新しい力に、大人しく淘汰とうたされろということなのか……


 でもアタシたちは生きてる。


 この地球ほしに。


 守りたい暮らしも、仲間も、やりたいことだってある。


 大人しく諦めてやるわけにはいかない!!!


「「アロー!!!」」


 闇が、霧散する。


「やった!!!」


「ミカ!危ない!!!」


 沢山力を込めた。


 モニターに、コランダムレイダーの躯体くたいが飛び込んで来る。


 一瞬開けた視界を直ぐに闇が覆う。


「!?」


 沢山トレーニングしてる。変わらずにずっと。


「嘘……」


 背中うしろから押しつぶすように、闇が忍び寄る。


あね!!右足!踏ん張って!!!」


 左が全部持ってかれた感覚があった。


「……!!!」


 痛みはない。


 冷たい……恐怖。


 得体の知れない悪意は、どうしてこんなにも心を凍らせるんだろう。


「左手が……」


 動かせない感覚が、全身のおもりのようにのしかかる。


 もうやめてしまいたい。


 それでも……


「ミカ!」

実華みか!!!」


 仲間の声が立ち上がらせる。


 振動と共に、モニターに切断されたハイドロレイダーの左腕が映る。


あね!!!」


「……こんなこと……」


 右腕は動く!!!


「前にも経験済みっあった!!!」




 

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