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 マンハッタンの校門から続く細い路地に、月明かりが落ちていた。


 白い月明かり。


 頼りないその光は、綺麗で、儚い。


 前を歩くそうちゃんは、少し考えこんでから、ぼそっと呟いた。


「うーん。俺、友だちいないからなぁ……」


「え?」


 友だちが何か思ってそうな時、そうちゃんならどうする?


 そんな疑問の応えがそれだった。


「い、いや、そうちゃん友だち多いじゃん……」


「そう?……でもシュウジは弟だし、あとはみんな同僚なかまって感じだしね」


「友だちと仲間って違うの?」


「うーん……友だちがいたことが無いからなぁ……」


 いやそんなコトないでしょ!……少なくとも、あの日よりも前には。それに、みんなだって……。


「まぁ同じ目的に向けて協力する者たち……?という感じかな。仲間って」


 そんなこと言ったら、幸子さちこは仲間でもあるのかもしれない。


「信じて待つのも一つの方法なんじゃないのかな」


 でもそんな風に言うなら何で、そうちゃんはジュンや玲鷗れおんをご飯に誘うんだろう。


 同じ目的を持つ者たち……。


 アタシと幸子さちこはそれだけじゃい。


 けど答えが出ない。


 どうすればいいのかも。


「まぁ、今日はゆっくり寝たら?」


 今夜こそ幸子さちこは来るかもしれない。少し寝かせた美味しいカレーを食べに。


 いつも通りの輝きを放って。

 

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