21

 青空のような倉庫にアタシたちはワープした。


 透明な青が、どこまでもどこまでも続いている。


 サブローが手をかざすと、発光するモニターが現れた。


「君たちの健康状態を測るから、そこに立って。OK、健康だ」


 それから、ハイドロレイダーのコックピットにあったようなカプセルが現れる。


「OK、乗ってもらえるかな。そうそう。操縦管を手前に引いて」


 フェイクモニターに、ハイドロレイダーの手元が映る。


 レイダーの手首から、指揮棒のようなものが射出されて、アタシは掴みそこなった。


「大丈夫。なんどかやろう」


 やっと掴めるようになっても、アタシの攻撃は的に当たらない。


「アタシってるんですかね……」


「要るんだ。レイダーは搭乗者同士の合力を増幅して力に変えるからね。そうだ、あれをやってみたらどうかな」


 サブローは弟が考えた口上を空で唱えた。


「絶対嫌です」


「そう?言霊ことだまってさ、力になるからさ」


「集中力も上がりますヨー」


 弟が言った。


 あたしはため息をついてフェイクモニターを見つめる。


「……薄明はくめいの光が白炎びゃくえんとナル。俺……じゃない、アタシの力をヒカリに変えて」


 あれ、……なんか。


「降り注げ!ディストレス!!バーキング!!アロー!!!!うそっ!」


 的は綺麗に消失した。

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