　サブローの言ったことは嘘ではない。

　でも、アタシはその日からサブローの目を見られなくなった。

（まぁもともとサングラスで見れないんだけど……）

「姉（あね）、何（なに）かありましたか？」

「べ、別に……」

　朝の三叉路（さんさろ）までの道、シュウジがアタシの顔を覗き込んだ。

　シュウジはトレーニングを続けてる。

　でも、ただ向かっていった最初の頃とは、なんとなく違う気がしていたけど、アタシはうまく伝えることも、大丈夫だと言ってやることもできないことに、もやもやしていた。

　サブローは、嘘は何一つ言わない。

　シュウジも聞かない。核心について。

　こんな気持ちのまま次の搭乗依頼を待つことは辛かったし、でも降りることも辛かった。

　今さら諦めたくない。未来を。

　三叉路（さんさろ）にはショーコは居なかった。今日は休むことにしたのかもしれない。幸子（さちこ）も今日は居なかった。

　アタシはうわの空で授業を受けて、担任に、星ヶ咲さんらしいと言われたりした。

（そんなに、空見てますか……）

　気持ちがもやもやしたまま、帰り道をとぼとぼと歩く。

　風が気持ちがいいことに、少しだけ空が恋しくなって空を見上げる。

「……えっ？」

　夕陽の中、星が輝いていた。

「……何？」

　その星が、動いていた。

「UFO！？」

　現れた円盤に、アタシは攫（さら）われた。

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