沈黙の、蒼……——昇る朝日

97

 強大なディストレスは、真紅の炎に包まれた。


 間髪を入れずに、緑の風と銀河のような花びらの光が、猛りうねる力を天へと還していく。


「「「薄明はくめいの光が白炎びゃくえんとなる」」」


 力が溢れてくる。


「俺の」

「私の」

星ヶ咲家ほしがさきけの」


「「「力を光に変えて」」」


「「「降り注げ!!」」」


(絶対に……)


「「「ディストレス!!!」」」


 負けない!!!


「「「バーキング!!!!!!!!」」」


 それぞれの辛さに……


「「「アローーーーーー!!!!!!」」」


 悲しみに!!!



 新緑の風の中に。


 瞬く銀河の光の中に。


 真紅の燃え上がる灼熱の炎の中に……



 美しい矢が降り注いだ。

 優しく、天高く流れる光の雨、滝。

 終わらない彗星。

 美しく暖かい白い炎。


 絶え間なく激しく、降り注ぐ光。


「やっぱり、綺麗だ……」


 恐ろしい蛇の怪物の姿をしたAIdエイドは、美しい薄明光線はくめいこうせんの中に溶けていく。


「ダイヤモンドォ!フリィィィイズ!!!……っあ……」


 何もない空間に、氷の結晶が舞う。


  HyLAハイラの円盤のライトアップの中で、粉雪みたいに綺麗だった。


「み、みんなすまない……スターノエルレイダーは出力特化で運動性がちょっと……」


 そうだ忘れてた。


 サブローのあおいレイダーはスターノエルレイダー。


 見た目はハイドロレイダーと色が違うだけだ。









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