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「私たちも寝る?なんか、パジャマ貸してくれるらしいよ☆」


「は!?」


 幸子さちこの不謹慎さに苛立ちと安心を覚える。


「だって、どうにもならないことを思ったってどうにもならないし」


「そうだけど……」


「ロボちゃんは出てきたらココに来るんだしさ⭐︎⭐︎⭐︎」


 幸子さちこはふわぁ〜とあくびをした。


「昼寝もしたじゃん……」


「そうだっけ?☆ま、休める時に休んでおいた方がいいよ」


 言いながら幸子さちこはパジャマ姿になり、布団にばふっと飛び込んだ。


「は〜!HyLAハイラの布団って本当気持ちいい☆ミカも寝よー……」


「ア、アタシ!……顔洗って来る!!!」


 怒りとも安心とも思える感情が交互に湧いて来て、アタシは洗面室で冷たい水をバシャバシャと顔に浴びせた。


「ヒドい顔……」


 フツーなアタシが疲れ切って、フツーですら無い。


 何でアタシはどうにもならないことを考えてしまうんだろう。


 解けない疑問に、蝕まれる時間。


 ——ピーピー……。


 制服のポケットから、モバイルを取り出す。


 ——今日帰れないんだって?かえでのご飯は任せてね!


「っ!」


 アタシは電話をかけた。


「シュウジ!?何で知って……」


「あ、あねお疲れ〜。そうちゃんからメッセージ来て」


 昔からそうちゃんはシュウジには何でも話す。アタシには……

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