ライアー……——エイプリルLABフール
193
学校行事が続いたり、委員会が続いたりすると、メッセージを見るのが遅くなったりしてしまう時がある。
それに、昨日の打ち上げが楽しくて、久しぶりに目覚ましをかけないで眠りについた。
布団で目を覚ました時には、もう外は明るくなっていて、時計の数字は11:55分。
かなりぐっすり寝たみたいだ。
隣の和室で、古代のテレビゲームをやっていた弟は、もうボスに差し掛かるところだった。
「あ、姉、おはよー」
「……はよう」
「コーヒー淹れよっか?」
「うん」
ボーっと、画面のボスの甲羅を見つめ、痛そうだなぁと思う。
シュウジは何度もクリアしてるゲームだから、きっとまた倒せるだろうと思う。
「ほい」
カフェラテのいい匂いがして、アタシの前に、猫のタンブラーがことんと置かれる。
網戸の向こうは晴れ渡っていて、青くていい天気だ。
「ふー、
「なら良かった」
シュウジは
ファンファーレが鳴り、祝福のエンディング。
小気味良い電子音と共に、エンドロールが流れていく。
「ふー、
シュウジは満足気に、自分のカフェラテを啜った。
「おめでと。ねぇ、
「仕事だよ」
なんと。母も昨日あんなにカラオケではしゃいでいたのに……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます