AId、台頭……――降り注げ!白炎の光

01

実華みかさん」


 シュウジはアタシをそう呼ぶ。

 父がいなくなってから。

 まだ小学4年生だというのに。


炒飯チャーハン作ったけど、食べれば?」


 弟はなんでも出来るヤツ。

 対してアタシは普通の小6。


 名前のようには、はなは無かった。


「……漢字で呼ばないでよ」

「なんで分かったの?」


 アタシは無視して弟の作った炒飯チャーハンを食べる。


姉様あねさま、母、今日遅いってさ」


 シュウジはテレビを観ながら腹筋していた。


「バカじゃないの?」


 鍛えたって、無駄なのに。


 テレビの画面はビカビカと光っている。

 バカな芸人がバカなことを言って。

 弟は楽しそうに笑っている。


 右上には今の時刻、18:18分。


 右下には……


 30日


 小さく、そう浮かび上がっていた。


「楽しい?」


 アタシの問いに、弟は笑って言った。


「うん」

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