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 いつも眠くなる始業式だけど、今年はしっかりと列に並んで、校長先生を見上げた。


 次々に朝礼台に立つ先生たちの顔も、新春の青空の下で、いつもより晴れやかな気がした。


 TVのニュースで言ってたけど、義務教育が復活するらしい。


 ……とはいえ、凶暴化したAIdディストレスの脅威が去った訳ではないので、引き続き登校は自由。自宅や補習での授業受講もOKとなった。飛び級もOKだ。


 やりたいことをやりつつの義務。


 でも、少しずつ日常が戻ってくるみたいで嬉しい。


 教室の自分の席に座って、クラスメイトの馬鹿話を聞いていると、今朝早起きしたことを思い出してやっと眠くなってくる。


 日常……でもこの日々もあとわずかだ。


 3月には卒業。


 ショーコとも別々の中学になってしまう。



「でもさァ、なんだかんだうちの小学校って、OGオッケィなイベント多いよね」


 夏休みのラジオ体操、芋掘り、新年の初日の出もそうだ。


 来年はショーコと初日の出を見られるだろうか。


「そうだよね」


 心配はしてない。


 6年間もの思い出は、やすやすと失われるものではない気がする。


 さみしくもある。けど、ふと会った時は、きっといつもこんな風なのだ。


「……会おうね」


「そだね」


 叶わないかもしれない。でも、叶えたいと願った。

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