110
「ひッ!」
「ど、どした?ほっしぃ?」
サブローみたいになってしまったアタシを、ショーコが
青空に発生した雲に、アタシは変な声を出してしまった。
「いや、雲が……」
「?、白くて可愛いね。ころころのハリネズミに似てる」
「ま、まぁ」
確かにそんな感じにも見えた。水素高炉にエネルギーが循環しなければ、
けど、アタシは雲が怖い。
「ウヒっ!!」
「ど、どした??ほっしぃ、だいじょぶ?」
校門に、辰の飾りが施してあった。
今朝撃ち落としたばかりで反応してしまう。
しかも、金色の瞳。
怖くない、十二支タイプのディストレスはもう怖くないけれども!
(ということにして乗っている、アタシは!)
「あー……いや、だいじょぶです。それよりショーコ、初日の出見に行けなくてごめん」
校門をくぐると、昇降口の向こうに、校庭が見えた。
懐かしくもどこか新しい太陽を反射して、ピカピカと光っている。
「いやさ、ほっしぃんち、喪中じゃん?だいじょぶだよ」
古代は喪は一年だったみたいだけど、
心が整うまで喪に服してもいい現代の制度に従って、アタシは今年も年賀状を書かなかった。
「屋上からの朝日、綺麗だった?」
「まぁね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます