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「ひッ!」


「ど、どした?ほっしぃ?」


 サブローみたいになってしまったアタシを、ショーコがたしなめる朝の三叉路さんさろ


 青空に発生した雲に、アタシは変な声を出してしまった。


「いや、雲が……」


「?、白くて可愛いね。ころころのハリネズミに似てる」


「ま、まぁ」


 確かにそんな感じにも見えた。水素高炉にエネルギーが循環しなければ、やつらは何もしてこない。


 けど、アタシは雲が怖い。


「ウヒっ!!」


「ど、どした??ほっしぃ、だいじょぶ?」


 校門に、辰の飾りが施してあった。


 今朝撃ち落としたばかりで反応してしまう。


 しかも、金色の瞳。


 怖くない、十二支タイプのディストレスはもう怖くないけれども!

(ということにして乗っている、アタシは!)


「あー……いや、だいじょぶです。それよりショーコ、初日の出見に行けなくてごめん」


 校門をくぐると、昇降口の向こうに、校庭が見えた。


 懐かしくもどこか新しい太陽を反射して、ピカピカと光っている。


「いやさ、ほっしぃんち、喪中じゃん?だいじょぶだよ」


 古代は喪は一年だったみたいだけど、大世界の人工島アイランドオブピースの災禍からまだ三年だ。


 心が整うまで喪に服してもいい現代の制度に従って、アタシは今年も年賀状を書かなかった。


「屋上からの朝日、綺麗だった?」


「まぁね」





 

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