420.5 手記14
「できたケド……」
透き通った
エリアB総出のブレイズレイダー落成式にも来ず、その後の宴会にも来ず、関連部の片付けにも来ず、翌日、無理やりに引っ張って来て、俺と
「…………フゥ」
「いや、なんか言ってよ!w」
エリアBの亜空間倉庫も、メカニックルームも、消煙と消臭機能が追備されていたのは
真紅の人型……というか、どこか猫を思わせる三角の瞳の二足歩行型巨大ロボット。
搭乗予定者は俺——。
その色は、何色になるのだろうか……
「グレーだ」
「えっ」
俺はドキッとして、
「な、何が?」
興味がある
俺はサングラスがしっかりと耳に掛かっていることを確認して、
「……こいつが動くかどうかだ」
「あ、あぁ、テスト試乗が上手くいくかってこと?」
無人では、
データ上の
……でも、机上で上手くいったことが、実際には上手くいかないこともある。
「グレー、か……」
——私、灰色が大好きよ!
「でもやってみないと。どっちに転ぶかはわからないし」
俺は、人と違う灰色の目が好きじゃなかったけど、それを好きだという
「遺書とか、書かないよ、俺は。怖くも無いし」
それは本当だった。
「試乗には行く」
「うん。ありがとう」
どこまで進んでも、俺はグレーのままかもしれない。
けど、どちらにも進むことの出来る未来を、愛してもいい気がしていた。
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